陸上養殖のメリットとデメリット・課題は?

こんにちは!フィッシュコーディネーター( @osakana_neta )です。

昨今、サーモンなどを陸上で養殖することが増えてきています。

それでは陸上養殖のメリットとデメリットはいったい何なのでしょうか?

メリット1 環境の影響を受けにくい

陸上養殖は環境の影響を受けにくいです。

具体的には

  • 水温の調整がしやすい
  • 病原体の侵入か少ない
  • 塩分濃度を下げてエネルギー節約させ、育てる期間を短縮出来ることがある

ということです。

海での養殖ですと、水温の調整はできませんし、

病原体ももちろんフリーパスで入ってきます。

塩分濃度も海まかせ。

陸上養殖ではこれらを調整しやすいのです。

メリット2 寄生虫を減らせる

また、陸上養殖ですと寄生虫が発生しづらい(ほぼない)です。

これは飼料以外のものが混入しづらいからです。

アニサキスなどの寄生虫はエサから魚へ寄生します。

海の生け簀ですと、100%防ぐのは難しいです。なぜなら網目の隙間から何かしらのエサになるものが侵入してしまうからです。

ところが陸上養殖施設ですと、この可能性が減らせます。

メリット3 陸上養殖には漁業権がない

陸上養殖のメリットは漁業権がないことです。

海ですと漁業権が設定されている海域にはなかなか新規参入できません。

その点、陸上養殖なら土地を買って、そこで育てれば良いのです。

そのため参入障壁が低いです。

※実際には川の水を利用するとなると水利権などが絡むこともあります。

逆に陸上養殖のデメリットはどんなものがあるのでしょうか。

デメリット1 初期コストが大きい

まず施設を建設するコストが大きいです。

海ですとものすごく簡単にいうと、網を張れば養殖出来ます。※実際は陸上の支援施設や海上にも施設が必要だったりします。

ところが陸上ですと広い土地を購入して、構造物を作り、場合によっては屋根をつけて養殖します。

このコストが大きいですね。

デメリット2 維持費が高くつく

また、維持費も高くつきます。

海水を作る、もしくは引っ張ってくる必要があります。

淡水にしても大量の水を必要とします。

また、排水はそのまま流すわけにはいきません。

きちんと排水処理をしてから流すことになります。

デメリット3 洪水などのリスクも

また、洪水などで流され、全滅してしまうこともあります。

川が増水して流される、ということもあるそうです。

その点閉鎖型養殖施設(RAS)なら心配は少ないですね。

デメリット4 鳥や天敵に狙われやすい

陸上養殖は天敵の影響を受けやすいです。

特にサギ(鷺)は大きな魚も食べてしまうので、非常に困るそうです。

これも鳥よけなどを万全にする必要があります。

閉鎖型なら防げます。ただし建築費がかかります。

陸上養殖のメリットとデメリット・課題は?まとめ

というわけで陸上養殖のメリット・デメリットについてみてきました。

まとめると

  • 環境の影響を受けにくい
  • 陸上養殖には漁業権が不要で参入障壁が低い。
  • 寄生虫の発生が少ない。
  • 初期コストが高い(施設建設に大きなコストがかかる)。
  • 維持費が高くつく(水や排水処理に費用がかかる)。
  • 洪水などのリスクがある。
  • 鳥(特にサギ)が天敵となる。

ということでした。

陸上養殖を始めるかたは、この記事を鵜呑みにせず、ご自分でよく調べてくださいね!

ご参考になさってくださいね!

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