日本では魚全般に脂ののりが求められます。
魚だけではなく、牛肉なんかもさしの入った脂の強いものが好まれます。
これはおそらく日本人は塩焼きだったり、刺身だったりと素材そのものを味わう料理法を用いているためだと思います。
シンプルに食べるときに美味しいと感じるのはアミノ酸、脂質、糖分の「おいしい基本要素」なんだと思います。
フランス料理みたいに何時間も煮込んで素材の味がわからなくなって、ソースで食べる文化だと、素材というよりも、料理人の腕で味が決まるのだと思います。
素材に脂質が少なくても、ソースに脂質がたくさん含まれている場合もありますし。
中国の方は鮭は鍋に入れるそうです。 だから脂の乗っているものだと逆に都合が悪いそうです。
中華料理も割と油を使って揚げたりするので、素材の脂質が多いと逆にしつこくなるのかもしれません。
養殖のチリ銀の大半は日本向けなので日本人好みに育ててくれているんですね。
シンプルに焼き魚を食べるときは脂が乗っているほうが美味しいんですね。
でも日本人も昔は脂の乗らない、上り鰹(のぼりがつお)が江戸などで好んでいたようです。
昔は筋肉を使った仕事が多く、脂質よりもタンパク質が豊富な食事が好まれたのでしょうか。
確かに運動したあとに脂っこい料理は胃に持たれる気がします。(個人的な感想ですが)
それとも昔は脂ののったものはなかなか庶民の口には入らなかったのでやせ我慢をしていたのでしょうか。
又は江戸時代は肉を食べるのを禁止されていた時期です。
明治に入って徐々に肉食が広がる中で、脂の美味しさにも徐々に目覚めて入ったのでしょうか。
先ほどほど「刺し身などシンプルな食べ物は脂があったほうが美味しい。」と書きました。
冷蔵設備の発達していなかった時代は、刺し身なんかは海沿いの人しか食べられなかったことでしょう。
それに脂のある食材の保存が難しいので、そういう意味でも日本人は脂を昔から好きだったが、めったに食べられなかったこともあると思います。
いずれにしても今、日本人の脂好きの答えがはっきりしません。
これから研究していきたいと思います。