保存温度帯変更とは?

食品でよく聞いたり見たりする保存温度帯変更とはどういうことでしょうか。

保存温度帯変更とは

保存温度変更とは、その名の通り「保存する温度を変更する」ことです。

そして「賞味期限を変更する」ことでもあります。

保存温度帯変更の例

たとえば流通などの段階では 冷凍(マイナス18℃以下)で保管されていたとします。

その商品にはマイナス18℃以下の冷凍の賞味期限が付いています。

とあるスーパーマーケットではそれを解凍して冷蔵(10℃以下)販売するとします。

その時に保存温度を冷凍マイナス18℃以下から冷蔵10℃以下に変更します。

この、保存温度帯を変更(マイナス18℃以下→10℃以下)することを「保存温度帯変更」といいます。

賞味期限の変更もセット

保存温度が変更されたため、賞味期限を付け変える必要があります。

冷凍で半年の賞味期限があるものを冷蔵で半年の賞味期限をつけるわけにはいきませんよね。

たとえばマイナス18℃以下保存で180日(実際の表示は年月日) の賞味期限を10℃以下で7日(実際の表示は年月日)に変更するなどです。

当然新しくつけた 賞味期限には科学的な根拠が必要になってきます。

賞味期限の付け方に関しては こちらのサイトをご覧ください。

保存温度帯変更者とは?

保存温度帯変更者とは上記の保存温度帯を変更した者(業者名)のことを指します。

保存温度帯変更者名が必要な理由

なぜ保存温度帯変更者の名前が必要かと言うと、食中毒など、何かあった時の責任者を明確にするためです。

冷凍流通していたものを解凍して販売する場合、解凍してから賞味期限まではその温度帯変更者が責任を持つことになります。

ただし異物混入など製造や流通由来の品質劣化は除きます。

保存温度帯変更者に求められること

温度帯変更時、以前ついていた賞味期限 は誤解のないように 見えなくする必要があります。

業務用の大袋のものを消費者向けに小分けにパックする場合はパッケージが変わるので、すべてのパックに賞味期限を貼ります。

冷凍販売用の商品を冷蔵で販売する場合、その商品には冷凍の賞味期限がついていますから、賞味期限を付け替える必要があります。

その場合、もともと付いていた賞味期限は全く見えないようにする必要があります。

当然温度帯変更者の名称(業者名)もきちんと入れます。

温度帯変更、温度帯変更者の表示で大事なのは 消費者の健康と 原因の究明

しかし食中毒などが起こると、 川上の業者流通業者や製造業者に 問い合わせが来るのが一般的です。

実際製造由来の食中毒という例も数多くあります。

自分が知っている例では

給食業者が 冷凍の錦糸卵を使ったところ、その錦糸卵を食べた 人達が集団で食中毒になったという例です。

この時、給食業者からすぐにメーカーに連絡がいき メーカーの当該商品の 在庫の中からサルモネラ菌が検出されたことからメーカーの責任となりました。

あるいは 販売されたいと 板付きかまぼこのにカビが生えたとしてクレームになったことがあります。

これは後から調べてみると販売したスーパーマーケットの仮保管場である 冷蔵庫が 故障し、温度が上がっていたということです。

この場合は一つのメーカーの商品だけではなく、複数のメーカーの商品からカビが発見されたことから、そのスーパーの責任ということになりました。

立場の弱い者のせいにされがち

こういった場合もまずメーカーにクレームが行きます。

製造業者の方が売る側なので立場は弱いです。

そうすると最終販売者はメーカーの責任のせいにする傾向にあります。

しかし一番大事なのは消費者の健康と原因の究明です。

責任転嫁をせずしっかりと調査してもらいたいものです。

そのためにも温度帯変更温度帯変更者 と表示があるのですから。

これが保存温度帯変更者の意味です