北海道は大きいですよね。だから同じ北海の鮭でも地域ごとに味や性質が変わることがあるのです。浜によって脂ののりが変わってくるんです。それこそ50km進むごとに変わる、とも言われます。
そこで今日はそんな北海道の鮭の産地別の違いについて見ていきたいと思います。
釧路・昆布森地区には、若くてうまい時鮭がある。
もともと美味しい“時さけ”ですが、
この地区で定置網で漁獲される時さけはとても美味しいですよ。
なぜおいしいのか、理由ははっきりとはわかりません。日本海へ帰る途中の若い鮭なのではないか、まだまだ長い距離があるので脂をたくさん蓄える必要があるのでは?等、色々言われています。
美味しさは価格にも反映され、一匹4kg、5kg台の時さけがkg2000円以上で取引されます。
根室地区は栄養豊富な海!
根室地区は、知床半島、根室半島の2つの半島と国後島に囲まれ、栄養のある植物性プランクトンが溜まりやすいところです。そのため、鮭のエサになる動物プランクトンも豊富です。
ここに遡上する鮭はこの溜まったプランクトンをたくさん食べ、その栄養は卵の成長につながります。
だからこの地区のイクラは大きくて美味しいです。
オホーツク海沿岸
オホーツク沿岸でも網走あたりまでは鮭の遡上に適した大きくて長い川があります。
ところが、雄武から宗谷岬を回ったところくらいまでは大きくて長い川がありません。
雄武~宗谷岬までで穫れる鮭は日本海側まで行く途中の鮭が多いそうです。
産卵まで時間があるので身に脂が乗っています。
実際この辺りの秋鮭は美味しいです。銀色に光った新巻鮭を“銀毛”と言って珍重されます。
しかし地元の人に言わせるとウロコが剥がれて、見方によってはブナ(遡上の準備が整った鮭のこと。身よりも卵、生殖器に栄養がいている)に見える鮭のほうが美味しそうです。
目近
“目近”と呼ばれる鮭がオホーツク海で10月中旬ごろ、水揚げされます。
名前の通り、目が鼻に近いので“目近”と呼ばれています。
この鮭、脂が乗っていて、美味しいんです。
脂が乗っている鮭はギンギンではなく、ウロコが剥がれます。
脂によってウロコが剥がれるのか、新陳代謝が活発だから剥がれるのか、色々な説があります。
おそらくは山形、新潟へ遡上する鮭だ、と言われています。
山形、新潟へ遡上するのは11月中旬ごろ。産卵まで3カ月近くあるので魚体に脂があって旨いんです。
以上、鮭は正しく選びましょう。
一応言っておきますが、美味しい、美味しくないは私や私が話を聞いた人たちの主観です。
実際のところはご自分で確かめてみてくださいね。
味比べしてみるのも面白いですよ。