サーモンを扱っていると、
「トリムC」
「トリムE」
という言葉が出てきます。
一般の人には、何のことかさっぱり分かりませんよね。
私は水産卸の仕事で、トラウトサーモンやアトランティックサーモンなどを扱っています。
現場でトリムCとトリムEの違いを簡単に説明するなら、
トリムC=骨取り・皮付き
トリムE=骨取り・皮なし
という認識です。
つまり、一番分かりやすい違いは、
皮が付いているか、取ってあるか。
ただし実際のトリム規格はもう少し細かく、メーカーや加工会社によって仕様に違いがある場合もあります。
今回はサーモンのトリムC・トリムEとは何なのか、実際にサーモンを扱っている水産卸の現場から解説します。
サーモンの「トリム」とは?
サーモンで使われる「トリム」とは、簡単にいえば、
フィレをどこまで加工・整形してあるかを示す規格
です。
魚を三枚におろしただけの状態から、
- 骨を取る
- ヒレを取る
- 腹部を整える
- ピンボーン(小骨)を取る
- 皮を取る
など、加工を進めていきます。
その加工状態を、
Trim A、Trim B、Trim C、Trim D、Trim E
などと表します。
基本的にはアルファベットが後ろになるほど加工が進んだ状態になります。
ただし、メーカーや加工会社によって細かな規格が異なることがあります。
そのため実際の仕入れでは、
「トリムCだから絶対にこの仕様」と名前だけで判断せず、商品の規格書を確認する
のが確実です。
トリムCとは?
私が普段扱っているサーモンでトリムCといえば、
骨取り・皮付きのフィレ
という認識です。
中骨や腹骨、ピンボーンなどが処理され、皮を残した状態になっています。
そのため刺身などに加工するときには、
最後に皮を引く作業が必要
になります。
つまり、
サーモン
↓
フィレ加工
↓
骨取り
↓
皮付きの状態=トリムC
というイメージです。
実際、日本国内で販売されている業務用商品でも「トリムC=皮付き・骨取りフィレ」として扱われている例があります。
トリムEとは?
一方、トリムEはさらに加工が進んだ状態です。
私の扱っている商品で簡単にいえば、
骨取り・皮なし。
トリムCとの大きな違いは、
皮まで取ってある
ことです。
そのため、刺身や寿司ネタなどへ加工するときの作業量を減らせます。
ざっくり言えば、
トリムCからさらに皮を取って、より加工しやすい状態にしたものがトリムE
と考えると分かりやすいでしょう。
トリムCとEの違いは「皮」だけ?
現場で一番分かりやすい違いは皮です。
C=皮付き
E=皮なし
私はまずここで区別しています。
ただし厳密には、トリムEでは皮を取るだけではなく、腹部や脂肪線、尾部などをさらに整形する規格もあります。
つまり、
「Cから皮だけを剥いだら、どんな商品でも必ずEになる」
とまで単純化するのは正確ではありません。
メーカーによって、
- 腹部をどこまでカットするか
- 脂肪部分をどこまで除去するか
- 尾部をどこまで整えるか
- ピンボーンをどう処理するか
- 皮をどの深さまで取るか
などの仕様に違いがあります。
実際に商品を仕入れる場合は、トリム名だけでなく規格書を確認しましょう。
トリムCとトリムEを簡単に比較
私が水産卸の現場で見るときの感覚なら、こうです。
トリムC
骨取り・皮付き
刺身などに加工する場合は、自分たちで皮を引く必要があります。
その分、加工の手間はかかりますが、加工度の高い商品より原料コストを抑えられることがあります。
トリムE
骨取り・皮なし
皮を取る作業まで加工側で済ませてあるので、現場での作業を減らせます。
刺身、寿司、切身などへ加工しやすい状態です。
つまり、
CとEの違いは「価格だけ」ではなく、誰が加工の手間を負担するか
という違いでもあります。
実際の売場ではトリムEからCへ変わってきた
ここからは、私が実際に水産卸で感じている話です。
以前、刺身用サーモンでは、
ロイン
を使ってもらうことがありました。
ロインとは、フィレをさらに使いやすい形に加工したものです。
私の取引先では、特に背側のロインを使っていたこともあります。
すでにかなり加工されているので、売場では非常に使いやすい商品です。
ところが近年、サーモンの価格が上がってきました。
すると、
ロインでは高い。
そこで、より原料に近い状態の商品を使うようになります。
私の取引先では、
ロイン
↓
トリムE
↓
最近ではトリムC
と変わってきた例があります。
なぜトリムCを使うようになったのか?
理由はシンプルです。
少しでも原料コストを抑えたいから。
トリムEなら皮まで取ってあります。
トリムCなら皮付きなので、売場や加工場で皮を引く作業が必要です。
つまり、
加工をメーカー側に任せるか、自分たちでやるか
の違いです。
加工度が高くなれば、その分だけ加工賃や歩留まりなどが商品価格に反映されます。
サーモン価格が安いときなら、
「使いやすいEでいいよ」
となりやすい。
ところが原料価格そのものが上がってくると、
「皮くらい自分たちで取るから、少しでも安いCにしよう」
という考え方が出てきます。
これは、私が実際に営業していて感じている変化です。
トリムCは安いけれど手間がかかる
もちろん、トリムCなら何でも得というわけではありません。
皮を取るには、
- 作業時間
- 人件費
- 技術
- 廃棄物処理
- 歩留まり管理
などが必要です。
上手に皮を引ける人なら問題ありませんが、作業に慣れていないと身まで皮側に残してしまいます。
そうすると、
原料を安く買っても、歩留まりが悪くなって結果的に高くつく
こともあります。
一方、トリムEなら皮を取る作業が不要なので、売場ですぐ次の加工へ進みやすい。
だから、
原料価格だけではなく、人件費や作業時間まで含めてCとEを比較する
ことが大切です。
スーパーならどちらが使いやすい?
これは売場によります。
加工する人員が十分にいて、皮引きもできる売場なら、
トリムCを仕入れて自店で加工する
という選択肢があります。
逆に、
- 人手が少ない
- 加工時間を短縮したい
- 皮引きできる人が少ない
- すぐ刺身や寿司ネタにしたい
という売場なら、
トリムEの方が使いやすい
でしょう。
つまり、
CとEのどちらが優れているという話ではありません。
原料価格と作業コストのバランスです。
トリムEからさらにロイン加工もある
サーモンはトリムEで終わりではありません。
そこからさらに加工して、
ロイン
にすることがあります。
ロインはフィレから腹側などを除き、背側を中心に使いやすい形へ整えた商品などがあります。
刺身を切り出しやすく、作業性は非常に良くなります。
ただし、その分だけ加工度が上がります。
私の取引先でも以前は背側ロインを使っていましたが、サーモン価格が高くなり、
もっと加工度の低い商品へ戻っていった
というわけです。
この流れを見ると、トリム規格は単なる魚の切り方ではなく、
水産売場のコスト管理にも直結する規格
だということが分かります。
トリムA・B・Dは?
トリムにはCとE以外にもA、B、Dなどがあります。
一般的には、
A → B → C → D → E
と加工が進んでいきます。
ただし、ここはメーカーによって仕様差があります。
たとえば、
- どのヒレを取るか
- 腹部をどこまで整えるか
- 尾を残すか
- ピンボーンを取るか
- 皮をどう処理するか
などが必ずしも完全に統一されているわけではありません。
ですから、実務上は、
「トリム○だから大丈夫」ではなく、仕入先の規格書を見る
これが一番確実です。
刺身用ならCとEのどちら?
私が扱っている規格なら、
どちらも刺身用原料として使えます。
ただしトリムCは皮付きなので、刺身にする前に皮を引きます。
トリムEなら皮がありません。
ですから、
加工する手間を減らしたいならE。
自分たちで皮を引いて原料コストを抑えたいならC。
という選び方ができます。
もちろん、生食できるかどうかはトリムC・Eという名称だけで決まりません。
必ず商品の生食可否や規格、保存・取扱条件を確認してください。
トリムはあくまで加工状態を示す言葉です。
まとめ|トリムCとEの違いは、まず「皮」で覚える
サーモンのトリムCとトリムEについてまとめます。
私が水産卸で扱っている商品の感覚なら、
トリムC=骨取り・皮付き
トリムE=骨取り・皮なし
と覚えるのが一番分かりやすいです。
ただし、厳密な加工仕様にはメーカー差があります。
そしてトリムの違いは、単なる形の違いではありません。
加工度が違えば、
価格・歩留まり・人件費・作業時間
も変わります。
実際、私の取引先ではサーモン価格の上昇に伴って、
背側ロイン → トリムE → トリムC
と、より加工度の低い原料へ変更してきた例があります。
皮を取ってもらえば楽だけれど、その加工にもコストがかかる。
だったら、
「皮は自分たちで引くからCでいい」
というわけです。
トリムCとEの違いを知ると、サーモンの加工規格だけでなく、スーパーの水産売場がどうやって原価を抑えているのかも見えてきます。
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