お刺身や寿司ネタのサーモンはなんの魚?

こんにちは!フィッシュコーディネーター( @osakana_neta )です。
お刺身や寿司ネタで出てくるサーモン。

サーモンというからにはサケ科とういうことはわかります。

でもサケ科といっても色々あります。

これは一体なんのサーモンでしょうか。

刺身サーモンは主にトラウトやアトランティックサーモン

刺身のサーモンは主にトラウトやアトランティックサーモンと呼ばれる魚です。

トラウトというのは日本では「ニジマス」として有名です。
アトランティックサーモンはなじみがないですね。大西洋サケ、とも呼ばれるヨー
ロッパ原産のサーモンです。
アトランティックサーモンに関しては以下「アトラン」と記します。

トラウトはニジマスが海に降りた形です。
海に出ると大きく脂を蓄えて成長します。
海の生け簀(いけす)で大きく育てて刺身にしています。

刺身サーモンはトラウトが多い

私の肌感覚ですと、刺身サーモンの7割くらいがトラウトです。

アトランティックサーモンは値段が高いため、トラウトが多く食べられています。

アトランはフレッシュ(生)の場合、ほとんどがノルウェーからの空輸です。

ところが最近ではロシアを迂回するため、かなりの高値になってしまいました。

なぜトラウトやアトランが刺身に選ばれる?

それではなぜトラウトやアトランが刺身サーモンとして出回るのでしょうか。

脂がのっている

トラウトは脂がのっています。
また、トラウトやアトランは生で食べたときに旨味を感じやすいのです。
そのため刺身で食べたときに美味しく感じるのですね。

刺身で食べた時に旨みが濃い

刺身は加熱したものと違い、香りが出にくい料理です。

そのため旨みを直接感じられるトラウトがやアトランが好まれます。

また、加熱すると人間が感じ
られる旨味が増えます。これは焼くことで水分が飛ぶためです。またメイラード反応
により、香りが増したりします。

ところが刺身ではこうした「加熱の魔法」が無いのです。

そのため、美味しい魚種が選ばれるのです。
そう、それはトラウトです。

試しに秋鮭(シロサケ)や銀ざけの刺身を食べてみてください。
どうも水っぽくて美味しく感じません。

なぜ銀ざけではダメなのか?

同じように養殖されている、銀ざけではダメなのでしょうか?

銀鮭も脂がのっていますよね。

銀ざけは身割れする

まず、銀ざけは身割れしやすいです。

そのため刺身には向かないのですね。
身割れとは筋肉の繊維がはがれやすいことを指します。

身が割れると食べづらく、舌触りも悪くなってしまいます。

銀ざけはくさみがある

また、臭みが若干気になります。

もしかしたらこれは慣れなのかもしれませんが。

銀ざけは水っぽい

それから水っぽく感じます。

近年トラウトの代替えとして銀鮭の刺身が導入されていることがあります。

それでも定着しないのはトラウトにかなわないからでしょう。

焼魚としては美味しい銀鮭ですが、刺身としては好まれないのですね。

お刺身や寿司ネタのサーモンはなんの魚?まとめ

というわけで刺身サーモンはなんの魚か、ということについてみてきました。

まとめると

  • 刺身サーモンには主にトラウトとアトランティックサーモンが使われる。
  • トラウトはニジマスが海に降りた形で、刺身に向いている。
  • アトランティックサーモンはヨーロッパ原産で、主にノルウェーから輸入される。
  • 刺身に選ばれる理由は、脂がのっていて加熱しなくても旨味が感じられるため。
  • 銀ざけは身割れしやすく、臭みや水っぽさがあり、刺身には向かない。

ということでした。

ただ、近年では銀鮭の刺身の利用が進んできています。もしかしたら美味しい銀鮭の刺身も出てくるかもしれませんね。