フィレ(三枚おろし)の鮭も出回っているのにこだわるところはなぜ一本物の新巻
実際スーパーのバックヤードの加工作業はフィレのほうが随分楽です。
あの大きな鮭の頭を落とし、身をおろす、というのはほんとに大変です。
一匹くらいなら簡単ですが。
ただし、味などを見た目で選別するとなると全体の姿を見てみないと分からない部分もあります。
今日はなぜ頭付きの新巻鮭が今時流通しているのか、考えてみました。
①ヒレや顔つきなどを見ないとオスとメスの判別がつかないこと
卵に栄養を取られるメスの鮭よりオスの鮭の方が身自体は脂があっ
あるいはオス独特の元気さが、
どういうことかというと、
一般的な他の動物や人間と一緒で、“そうゆうこと”
そのようなことも味に関係しているかもしれません。
というわけで秋鮭というのはオスの方が珍重されます。
そのオスの鮭を判別するにはヒレや頭が付いていないと困難なので
フィレ状態(頭を落として三枚におろし、半身状態になったもの)
ほかには
②消費者の方も姿を見て、納得してから買いたい、と思っていることはあります。
得体のしれない魚より、姿を見て、
この納得感、自己満足ともいえますが、
実際、お魚の専門店などの話を聞くと、「同じものでも切ってあるものはお客さんは買っていかないよ。頭付きの姿のものを、目の前で切ってあげて、初めてうれるんだよ」とおっしゃっておりました。
③顔つきや姿で獲れた時期、産地が分かります。つまりは脂がのっているか、見た目で見分けられるんです。
先ほどはオス、メスの判別に頭付きのほうが分かりやすい、とお話しました。
今度は取れた時期、産地、脂ののりがわかる、という話しです。
鮭は生育の時期によって顔つきが変わります。
若いうちは若々しい顔つきをしています。
こういう鮭は「めじか」(目近)などとよばれ、
オホーツクの沖合を泳いでいる鮭は、
そのため、まだ若干若く「めじか風」の鮭となります。
「めじか風」としたのは水産業界でいうところのめじかとは異なるから
水産業界でいうところのめじかとは北海道の鮭の水揚げシーズンが
山形や新潟へ向かう途中の鮭がオホーツク海の沖合を通過するとき
産地によっても姿形が違います。
先程のオホーツクの例による、
あるいは三陸の鮭と北海道の鮭の顔つきが若干違うというという人
春に水揚げされるトキシラズ(時さけ)は成熟していないほうがより美味しいんです。
それを判別するために鮭の口に指を入れて歯の成長具合を確かめる、という人もいます。
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フィレでも脂の乗りは分かるし、
しかし毎回毎回、試食してみるのは現実的ではないです。
やはり見た目で味を判断しようと思うと姿形を見てみるのが一番早