産地表示について解説します。

産地表示ってとても解りづらいんです。

国内産は産地に厳しい!

例えば日本産だと、水揚げ地を厳しく問われます。

水揚げの港だったり、県だったり。

あるいは獲れた海域名などです。

同じ県でも、市町村名で表示します。

あえて細かく表示することも!

同じ県でも、ブランド化している場合はそこの名前を使ったりします。

これらは法律上必要というよりは売る側の都合です。

例えば青森県の「大間のマグロ」や岩手県の「田老わかめ」、宮城県の「気仙沼の戻りがつお」などです。

これらは法律上は県名での表示で問題ありません。

しかし細かく表示することでお客さんの買いたい気持ちを高めることが出来ます。

あるいは地域の人達に販売するときに港ごとに表示したりします。

買ってくれる人に分かりやすく、ということです。

海沿いで魚が好きな人が多い地区はこういう表示をする傾向があります。

同じ市町村でも新潟県上越市の「直江津」、「有間川」とか新潟県糸魚川市の「筒石」、「能生」など、漁港単位で産地を表示したりします。

マニアックなお客さんは「どこどこの、あの魚は美味しい」などと判断します。

外国産はざっくり!

しかしこれが外国産となると、急に「国名の表記」とざっくりになります。

この辺り、アバウトな産地表示の法律です。

グローバル化の時代に意味があるのか?と思ってしまいます。

例えばアメリカなんて日本の数十倍の国土を持っています。

そのアメリカでは、州が強い力を持っていて、その影響力は一つの国、と言ってもいいくらいです。

その広大なアメリカで獲れた魚が一律に「アメリカ産」となることにすごく違和感を感じます。

カリフォルニアで漁獲された魚と、アラスカで漁獲された魚は、脂ののり、漁獲方法、漁獲後の取り扱いはものすごく違います。

でも日本の法律はそんなことお構い無しに「アメリカ産」です。

日本の産地では石川県の漁港と、すぐとなりの富山県の漁港では数十キロメートルしか離れていません。

ましてや魚には県境は関係ありません。

でも富山県産の魚を石川県産と表示すると産地偽装になります。

なにか、ものすごく違和感があるのですよね。

逆に外国でも産地によって、美味しいところ、美味しくないところがあります。

例えばカナダ産の数の子。

同じカナダでも西海岸と東海岸ではその味はまるで違います。

パリパリした食感は西海岸のほうが楽しめます。

そういう違いについて、お伝えしていくのがこのブログの役割だと思っています。

当然外国の魚も、潮の流れが速いと身がしまったりします。

アジやサバなど回遊する魚は潮の流れが速いと美味しくなります。(例外もあり)

また潮の流れが遅いと、ホッケなどは脂ののりが良くなります。

このように産地によって、潮の流れによって、魚の特性は変わってくるんですね。

結局、表示はどのようにすべきか

さんざん今の法律の問題を指摘してきました。

じゃあ代替え案はあるのか?と言われると、実際すごく難しいです。

とても見も蓋もないですが、一つの考えですべてをカバーする法律なんてのは存在しません。

ヒントとしてはひたすら消費者の為を考える、ということでしょう。

小さなシールで足りないものは、店内のポップで説明するとか、QRコードで詳しい説明のリンクを貼るとかが必要です。

つまり「わかるところまで詳しく書く」というのが理想だと思います。

一方で細かすぎて「誰が得するんだ?」というような、ルールのための表示になってもいけません。

お客さんの知りたい情報をつかみ、適切に表示していけたらいいと思っています。

また、お客さんの方でも正しい知識を、身につけていただきたいです。

このブログがそのための一助になれば幸いです。