近年、さまざまな商品が値上げされている中で、エビ類は比較的価格が安定している傾向にあります。今回は、2023年のエビの価格動向について解説します。
2023年天然ホワイトエビの動向
まず、天然ホワイトエビについてです。現在、漁に出ていません。これは価格が安いためです。価格が安いので、漁に出ても儲からないのですね。
そのため日本国内では在庫の取り合いが続いています。
エクアドル産バナメイエビ
2023年初頭から下落していたエクアドル産バナメイエビ。こちらは最安値から価格が上昇しています。
これは中国への輸出が好調なことと、円安の影響です。
現地通貨が安ければ為替の影響は少ないのですが、エクアドルの通貨はアメリカドルです。なのでドル円相場がもろに影響を与えます。
アルゼンチン赤エビ
アルゼンチン産の赤えびは、こちらも2023年初頭から値下がりして、4月頃には最安値となっていました。
ここに来て日本国内在庫の消化がすすみました。新物の搬入は7月に入ってから、と思われます。
なので端境期となっていて、値段が上がっています。
価格に関しては今後の搬入量次第です。
ただ、2023年初頭のような安値にはならないかと思います。
エビの値段が動く理由は3つあります。
為替の影響
為替については、読みにくい部分もあります。
現時点では円安傾向が続いていますが、米連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和策を取る可能性が指摘されています。そうなるとドル安に進み、輸入物価が下がります。
また、円安が進みすぎると為替介入の可能性もあります。これは円安を抑制します。
なので、為替は現状比較的安定していると言えます。
今年は大きな変動しないと予想します。
まあ少しの変動でも輸入業者は大変なのですけどね。
エビの需要と供給総評
新型コロナウイルス感染症の法的位置づけが変わり、「5類」に移行したことで、エビのレストラン需要は回復していくと予想されます。
また、供給サイドとしては、コロナの影響がなくなるので、産地はフル生産出来ます。
コロナ当時は生産しようにもできませんでした。
コロナ禍では、内食でバーベキュー需要がありました。
2023年のゴールデンウィークではバーベキュー需要が減退した傾向が見られました。
世界の状況
中国の輸入量は年々増加しています。近年ではエクアドルのエビが中国へ向かっています。
このようなエビ産業の現状を踏まえると、2023年においては需要と供給のバランスが注目されます。
新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけの変化により、需要が回復する見込みですが、値段の変動要因として為替の影響も依然として大きいです。
また、冷凍エビの輸入量の減少や産地相場の状況も価格に影響を及ぼす要素となります。
エビ産業は需要の変動や為替の動向に敏感であり、供給地の変化も影響を与えます。消費者の嗜好や食文化の変化も市場に影響を及ぼす要素です。
これらの要素を総合的に考慮しながら、エビ産業は今後も市場状況の変化に対応していくことが求められます。