新潟でうなぎ養殖をしていたデンカ、うなぎ養殖事業から撤退

新潟県糸魚川市青海にあるデンカの青海工場。
http://www.denka.co.jp/

ここでは知る人ぞ知るウナギの養殖施設がありました。

新潟のうなぎはここで養殖されていました。

ちなみに新潟県では、阿賀野市などでもうなぎが養殖されているそうです。

デンカは、生コンクリートを生産する過程で出る廃熱を利用してウナギを養殖していました。

なぜデンカの青海工場でうなぎを養殖したのか?

糸魚川市の青海地区は比較的新しい地層です。

海底が盛り上がってできたと言われています。

そのため 当時生息していたサンゴの死骸などが盛り上がって陸地となっています。

なのでカルシウム分を含んだ 土地になっているんですね 。

石灰岩が豊富なため、水もアルカリ性です。

アルカリ性の水はウナギの養殖に向いています。

全国では珍しい、水をかけ流しにして鰻を育てていました

ちなみに静岡県でもうなぎの養殖が盛んですね。

これも糸魚川から静岡にかけての構造線、糸魚川静岡構造線が関係しています。

静岡も新しく出来た土地、海が盛り上がって出来た土地です。

その為、カルシウム分が多く、水がアルカリ性だと考えられます。

デンカのうなぎは かけ流しの水だからうまかった!

デンカ青海工場では、全国では珍しい、水をかけ流しにして鰻を育てていました。

そのため溜まり水特有の泥臭さが出なくて、すっきりした味わいのウナギでした。

2019年9月をもって 養殖販売から撤退

昭和48年から生産が続いていたそうなのですが2019年9月をもって養殖と販売から手を引くそうです。

既に販売は大幅に絞っているそうで、もし欲しい方は急いで問い合わせしてみてください。
電話025-562-6737 青海工場 うなぎ販売所

もしかしたら大手が土用の丑の日用に全てを押さえてしまっているのかもしれません。

原因としては、やはり近年のジャポニカ鰻の稚魚の高騰があるそうです。
ここまで高くなってしまうと、さすがに、製品価格に乗せきれずにいるそうです。

それと、資源保護の圧力もあるようです。
昨今ジャポニカうなぎ(標準和名ニホンウナギ)を保護しようという動きがあります。

環境省は、ニホンウナギを絶滅危惧種にしました。

日経新聞より

https://r.nikkei.com/article/DGKKZO40704360R30C19A1EAC000

東証一部上場企業として、絶滅危惧種を販売することはコンプライアンス的に良くない、という判断もあるのではないでしょうか。

確かに資源が少ないのなら、保護するのは当然です。
完全養殖のうなぎを安価に供給できるようになるまではまだしばらく時間がかかります。

なので、過渡期にはこのような動きが出てきます。

残念ですが仕方ないですね。

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