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留型(とめがた・留め型)商品ってご存知ですか?
最近 ここ10年以内で聞くくようになった言葉です。
今回は留型についてみていきます。
留型(とめがた・留め型)とは?PBとの違いは?
留型とは、メーカーとベンダーや小売店が共同で開発した専用商品を、メーカーのブランドで販売する商品のことです。
PB(プライベートブランド)と違うのは、「メーカーのブランドで販売する」という部分ですね。PBは販売者はベンダー名や、小売店名になります(セブンプレミアムなど)。
差別化のため、量変えたり、スペックを変えたりしています。
一見どこでも売っている商品に見えるけど、実は機能が限定的だったりします。
留型の例
それでは留型の例を見ていきましょう。
留め型の例としては
- アサヒビールの例
- サントリーの例
- ジャパネットの例
- さつま揚げの例
などがあります。
詳しくみていきましょう。
アサヒビールはPBではなく留型で対応
留型に関してはアサヒビールの例があります。
アサヒビールは、プライベートブランドの依頼が来ても、留型で対応するようです。
以下、アサヒビールの平野社長のインタビュー記事からの引用です。
平野社長は、「小売業のPB商品に対しては、これまでと同様に、取引先の課題解決の一つとして対応する。いわゆる留め型商品で対応しており、アサヒビールのコーポレートマークのない商品は出さない」と述べた。
アサヒビールは2012年6月から、セブン&アイグループ限定商品として、セブン-イレブン・ジャパンと共同開発した缶チューハイ「セブンプレミアム クリアクーラー」を発売した。
2018年9月には、ファミリーマート限定商品のビール「アサヒ ザ・ダブル」を発売している。
引用記事:アサヒビール/平野社長「2019年もPBは、留め型商品で対応」
https://www.ryutsuu.biz/commodity/l011044.html
販売するブランドはアサヒビールで、でもコンビニの規格に合わせた商品づくりをしています。
これはメーカーのブランドを維持したい、という戦略の表れなのです。
サントリーの例
サントリーのBOSSでも、セブンイレブン専用商品があったりします。
これはセブンホールディングスのブランドも入りますが、サントリーのBOSSブランド使っています。
なのでハイブリッド留型といってもいいでしょう。
ジャパネットの例
ジャパネットたかたさんが、ケルヒャーの高圧洗浄機を販売していますね。
電機屋さんで見かけるのと同じようなモデルですが、型番をよくみると「JTK-○○」となっています。この「JTK」でジャパネットたかたの留型モデルだとわかります。
自社のお客さんに合わせて機能を追加したり、あるいは減らしたりします。
ブランドはそのままで、機能を追加して差別化したり、あるいは不要な機能を抜いて価格を押さえ、差別化しています。
そこでジャパネットオリジナルにして、価格を押さえたり、スペックを変えたりします。
そしてそれを差別化にして販売するのですね。
さつま揚げの例
また、どこにでもある有名なさつま揚げ(4枚入り)が他の店より100円も安く販売されているのを見ました。
よく見ると、1枚1枚が小さかったので、留め型商品だと気が付きました。
留型を安く販売できる理由
それではなぜ留型品は安く出来るのでしょうか。
それは
- 機能を減らしたり
- 部品を減らしたり
- 重さを減らしたり
- 安価な材料に変えたり
- 大量に製造して、すべて買い取ってもらう条件にして安くしたり
などです。
このように各社でさまざまな努力をしています。
留型を作る理由はブランドそのままに、安く販売できるから!
留め型を作る主な理由は、安く販売できるからです。
同じ商品名だけど、スペックを落とし安い価格で販売できます。
有名なメーカーのブランド名がそのまま使えるのがメリットです。
そして価格を押さえることが出来ます。
ブランドはそのままで、価格を押さえる。そんなおいしい商品が留型なのです。
留型商品はPB(プライベートブランド)よりもハードルが低い
留め型商品はPBよりもハードルが低いです。
PBを作ると売れようが売れまいが契約通りの数量は売り切らなくてはなりません。
上手く売れると利益を稼げますが、売れないと大変です。
販売が思わしくないと在庫リスクが高まります。
なにせその小売店のブランドなので、その店でしか売れません。
しかし留型(止め型・とめがた)ならちょっと重量を減らしたり、部品を少し減らしたりするだけです。
そのためので軌道修正がしやすいのです。
留め型商品はアウトレットでほかの店で販売していることもあります。
留型を英語でいうと?
ちなみに英語でいうと、「limited edition」(リミテッドエディション)というそうです。限定バージョン、という感じですね。
weblio英和和英辞典より
英語圏では留型のような商品がないのか、ぴったりとあてはまる言葉がないようです。調べると色々ありExclusiveなどの言葉も出てきますね。
留め型商品のまとめ
というわけで、留め型商品についてみてきました。
まとめると
- 留型商品はメーカーと小売店が共同開発し、メーカーのブランドで販売される専用商品。
- PB(プライベートブランド)との違いは販売ブランドが異なることで、留型はメーカーのブランドで販売される。
- 一般的には一見どこでも売っている商品に見えるが、実は機能が限定的。
- 留型商品の例として、アサヒビールやサントリーのBOSS、ジャパネット、食品などが挙げられる。
- 留型商品はPBよりもハードルが低い。
- 留型商品はPBよりも販売リスクが低く、差別化や価格抑制が容易。
- 留型商品を英語でいうと”limited edition”で、留型の概念は英語圏では限定バージョンとして理解される。
- 留型商品はメーカーのブランドを維持しつつ、安価に販売される。
ということでした。
そんなわけで、安いと思ったら、スペックや商品の規格をチェックしてみてくださいね。