こんにちは!フィッシュコーディネーター( @osakana_neta )です。

留型(とめがた・留め型)商品ってご存知ですか?

最近 ここ10年以内で聞くくようになった言葉です。

留型(とめがた・留め型)とは?

留型とは、

  • 特定の販売店専用モデル
  • でもメーカーのブランド名が入る

という商品です。

主に競合よりも価格を下げたり、差別化する目的で行われます。

差別化のため、量を減らしたり、スペックを落としたりしています。

一見どこでも売っている商品に見えるけど、実は機能が限定だったりします。

小売店専用モデルですが、メーカーのブランドを入れて販売されるのがプライベートブランドと違う部分です。

メーカーと小売店等が共同で開発した商品を、メーカーのブランドを出して販売する、これが留型商品です。

ちなみに英語でいうと、「limited edition」(リミテッドエディション)というそうです。限定バージョン、という感じですね。

weblio英和和英辞典より

英語圏では留型のような商品がないのか、ぴったりとあてはまる言葉がないようです。調べると色々ありExclusiveなどの言葉も出てきますね。

留型とプライベートブランドの違いは?留め型にする理由

それでは留型とプライベートブランドの違いは何でしょうか?また、なぜ留め型にするのでしょうか。

留め型はメーカーのブランドで販売します。

そしてプライベートブランドは小売店のブランドで販売します。

留型はメーカーのブランドが出る

留め型は、メーカー名が出ます。

サントリーのBOSSブランドでも、セブンイレブン専用商品があったりします。

また、アサヒビールのように、プライベートブランドの依頼が来ても、留型で対応するところもあります。

これはメーカーとして、自社のブランドを育てたいからです。メーカー主導の商品づくりですね。

プライベートブランドは店のブランドになる

一方、PB(プライベートブランドはメーカー名が出ません。小売店主導の商品づくりですね。

PBの例を挙げると

  • セブンプレミアム
  • トップバリュー
  • ヤマダ電機オリジナル家電

など、ありますね。
メーカー名がブランドとしては出ないことが多いです。

(ただし、食品の場合、製造者の名前は入ります。)

留型の例

留め型の例としては

  • アサヒビール
  • ジャパネット
  • 食品

などがあります。

詳しくみていきましょう。

アサヒビールの例

前出のアサヒビールの例があります。
アサヒビールは、プライベートブランドの依頼が来ても、留型で対応するようです。

以下、アサヒビールの平野社長のインタビュー記事からの引用です。

平野社長は、「小売業のPB商品に対しては、これまでと同様に、取引先の課題解決の一つとして対応する。いわゆる留め型商品で対応しており、アサヒビールのコーポレートマークのない商品は出さない」と述べた。

アサヒビールは2012年6月から、セブン&アイグループ限定商品として、セブン-イレブン・ジャパンと共同開発した缶チューハイ「セブンプレミアム クリアクーラー」を発売した。

2018年9月には、ファミリーマート限定商品のビール「アサヒ ザ・ダブル」を発売している。

引用記事:アサヒビール/平野社長「2019年もPBは、留め型商品で対応」

https://www.ryutsuu.biz/commodity/l011044.html

販売するブランドはアサヒビールで、でもコンビニの規格に合わせた商品づくりをしています。

サントリーの例

サントリーのBOSSでも、セブンイレブン専用商品があったりします。

これはセブンホールディングスのブランドも入りますが、留型といってもいいでしょう。

ジャパネットの例

ジャパネットたかたさんが、ケルヒャーの高圧洗浄機を販売していますね。

電機屋さんで見かけるのと同じようなモデルですが、型番をよくみると「JTK-○○」となっています。この「JTK」でジャパネットたかたの留型モデルだとわかります。

自社のお客さんに合わせて機能を追加したり、あるいは減らしたりします。

ブランドはそのままで、機能を追加して差別化したり、あるいは不要な機能を抜いて価格を押さえ、差別化しています。

そこでジャパネットオリジナルにして、価格を押さえたり、スペックを変えたりします。

そしてそれを差別化にして販売するのですね。

食品の例

また、どこにでもある有名なさつま揚げ(4枚入り)が他の店より100円も安く販売されているのを見ました。
よく見ると、1枚1枚が小さかったので、留め型商品だと気が付きました。

留型を安く販売できる理由

それではなぜ留型品は安く出来るのでしょうか。

それは

  • 機能を減らしたり
  • 部品を減らしたり
  • 重さを減らしたり
  • 安価な材料に変えたり
  • 大量に製造して、すべて買い取ってもらう条件にして安くしたり

など、各社でさまざまな努力をしています。

留型商品はPB(プライベートブランド)よりもハードルが低い

留め型商品はPBよりもハードルが低いです。

PBを作ると売れようが売れまいが契約通りの数量は売り切らなくてはなりません。

上手く売れると利益を稼げますが、売れないと大変です。

販売が思わしくないと在庫リスクが高まります。

なにせその小売店のブランドなので、その店でしか売れません。

しかし留型(止め型・とめがた)ならちょっと重量を減らしたり、部品を少し減らしたりするだけなので、売れなかったときの軌道修正がしやすいのです。

留め型商品はアウトレットでほかの店で販売していることもあります。

だから最近留型(止め型・とめがた)が増えているのです。

流通業界の帳合という商習慣については以下をご覧ください。

帳合とは?帳合取引とは?

留型を作る主な理由は安く販売できるから!

留め型を作る主な理由は、安く販売できるからです。

同じ商品名だけど、スペックを落とし安い価格で販売できます。

有名なメーカーのブランド名がそのまま使えるのがメリットです。そして価格を押さえたり出来ます。

そんなブランドはそのままで、価格を押さえる。そんなおいしい商品が留型なのです。

メーカーの事情

メーカーには、ブランドを維持したい、という思惑があります。

あるいは、ブランドを拡散させたい、という思いもあります。アサヒビールの例を挙げましたよね。PB(プライベートブランド)ですと、メーカーのブランドが出ません。

出るのはセブンプレミアムなどの小売店のブランドですね。これだとメーカーが一生懸命作っても、自分たちのブランドが浸透していきませんね。

留型なら小売店の要望も取り入れられるし、メーカーのブランドも出ます。

なのでメーカーは留型商品を作るのですね。

留型の名前の由来は?

留型は特定の小売店等と共同で開発しています。

なので、他のお店には卸さないで、留めておく必要があります。

なので、留型となったと思われます。

留め型商品のまとめ

というわけで、留め型商品についてみてきました。

留め型商品とは、

  • メーカーブランドはそのままに、規格を替えたもの

でしたね。

プライベートブランドは

  • 小売店のブランドとして販売

ということでした。

留め型はPBとメーカー品の中間のような商品なのです。

  • メーカーとしてはブランドはそのままに大量に販売できる可能性がある
  • 小売店にとってはメーカーのブランドを利用して、他店と差別化できる

ということでした。

そんなわけで、安いと思ったら、スペックや商品の規格をチェックしてみてくださいね。

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