農水省が公表した2020年の統計にかまぼこ類の生産県別類の生産県別は以下の通りです。
(※カッコ内は2014年の生産量と順位)
- 1位 兵庫県4.5万トン(2014年5万トンで2位)
- 2位 新潟県3.8万トン(2014年5.2万トンで1位)
- 3位 千葉県3.2万トン(2014年は4位以下)
- 4位 山口県の3万トン(2014年は3.2万トンで4位)
- 5位 宮城県 2.9万トン(2014年は3.8万トンで3位)
以上となりました。
参考記事蒲鉾メーカーランキング
1位兵庫県。2014年の2位からランクアップ!
1位は兵庫県でした。2014年の2位より順位を上げてきましたね。生産量が2014年より若干落ちました。しかし新潟県の落ち込みが大きく、1位となりました。
兵庫県には
- カネテツデリカフーズ
- ヤマサ蒲鉾
などの大手練り物メーカーが存在します。そのため生産量も多くなっています。
また、兵庫県は「蒲鉾発祥の地」として、大変長い歴史があります。
2位新潟県。1位から陥落!
新潟県は2014年の1位から陥落です。
前回5.2万トンから3.8万トンと1.4万トンも落としています。
一時年間30億円の売り上げがあった、県内の有力生産メーカー「柳下蒲鉾」が2015年に倒産したことも影響していると思います。
また、リスクヘッジと物流の効率化から工場を日本各地に分散させてきたこともあると思います。
とはいってもまだまだ生産量は多いです。
売上トップクラスのメーカーもたくさんあります。
- 一正蒲鉾
- 堀川蒲鉾
- 伏見蒲鉾
などなど、全国でもトップクラスのメーカーが揃っています。
新潟県はもともと良質なすり身の原料である、スケトウダラの漁獲が多かったのです。そのため、零細企業が上質な蒲鉾を作っていました。
その後リテーナ(型枠)成型かまぼこで売上を伸ばしました。
リテーナ成形蒲鉾はフィルムに包んだすり身を型に流し込み、蒲鉾を生産する技術です。
このリテーナ成形技術により、保存が利くようになり、全国流通のきっかけになりました。また、すり身の膨張を抑え、安価に大量に蒲鉾を生産できるようになりました。
リテーナを武器に新潟のメーカーは全国シェアを伸ばしていったと考えられます。
3位千葉県。躍進の理由は?
3位に躍進してきたのは千葉県です。
ここは大消費地首都圏にあり、物流の面でも有利です。
もともと大手の練り物メーカーは少ないです。しかしかね貞や紀文など大手メーカーの工場があります。そのため3位に躍進したのですね。
4位山口県。多くのかまぼこメーカーあり!
2014年と生産量がほぼ変わらないのが山口県。山口県でのかまぼこ消費量はそれほどでもないです。
総務省統計局によると、九州でのかまぼこ類消費量が多いです。なので九州など隣県へ供給していると思われます。
また山口県のかまぼこはエソ(バチ)を原料にしているそうです。
以下、Eriko様のnoteから記事引用です。
山口のかまぼこは白板かまぼこで表面が縮れており弾力が強い。ちぢれが細かいほどしっかり練られており、歯ごたえがよくぷりぷりしています。魚はエソを主として使っており、山口独自の製法焼き抜きで板を挟み間接的に火をあてることで焦げ目がつかず表面の白さを保っています。表面がちょっと固め、中がぷりっとしているかまぼこです。※商品により、外国の魚が配合されているものあり。エソは冷凍耐性がなく新鮮な状態で加工する必要がある鮮度が命の魚です。
文章を読んだだけで、食べたくなりました。ふるさと納税でもらおうかな?
4位宮城県練り物ちくわ、かまぼこ、県別生産量
4位は宮城県です。2014年の3.8万トンから2.9万トンと1万トンも生産が落ちました。残念ながら有力メーカーが買収されたりした影響もあると思います。
宮城県と言えば仙台の笹かまが有名です。
練り物メーカーも
- 高浜(石川県のスギヨグループに)
- 水野
- マル文
など中堅有力メーカーがひしめいています。
練り物かまぼこ類県別生産量ランキングのまとめ
というわけでかまぼこ類県別生産ランキングについてみてきました。
まとめると
(※カッコ内は2014年の生産量と順位)
- 1位 兵庫県2位からランクアップ!
- 2位 新潟県1位からランクダウン!有力メーカー倒産や県外への工場移設
- 3位 千葉県!大消費地に近く、工場誘致か
- 4位 山口県九州へ出荷
- 5位 宮城県 メーカー買収されるなど
という結果でした。
いやはや、栄枯盛衰といいますか。
ちなみに静岡では蒸し蒲鉾が盛んです。
それにしても生産上位4県だけでもちくわ・かまぼこ類が17万トンも生産消費されているとは・・・
チリギンの年間消費が8万トンですから、いかに大量に生産されているかがわかります。
色々なシーンですり身が活用されていますね。