チリ産の銀鮭。
お弁当や食卓のメインディッシュとして人気の魚です。
この鮭、チリで養殖している銀鮭なので「チリ銀」と呼ばれています。
スーパーの塩焼き用の銀鮭で切り身になった商品は、たいていこのチリ銀を切っています。
実はこの製品に安くするカラクリがあるということをご存知でしたか?
チリ銀を安くする加工方法とは?
定塩加工と言って、半身にして塩水に漬け込み、真空パックして冷凍をかけた製品が流通しております。
これが業界では有名なチリ銀鮭の定塩フィレと呼ばれるものです。
チリ銀の塩水加工
昔は定塩のフィーレ(半身に加工したもの)は濃い食塩水にそのまま漬け込んでいました。
でもそうすると背に近づくにつれて塩分が薄くなり、腹の方はしょっぱくなります。
これを避けるために開発された手法がインジェクションという方法です。
塩水を身に注射する方法です。
これにより、塩味が均一の銀鮭フィレができるんです。
塩水で増量?
ただ、ここからが問題なんですよね。
定塩フィレを安く作っているメーカーを見てみるとインジェクションで塩水を注射した後、すぐ冷凍をかけるんですね。
そうすると塩水を注射したことにより、水分の分だけ重たくなります。
塩の銀鮭が安上がりに出来上がるということになります。
塩水を注入しているので塩水分だけ重たくなる。
この理屈わかりますよね?
価格の安い定塩フィレを作っているメーカーほどこういう作り方をしています。
チリ銀鮭は水が出ていないものを選ぼう!
良心的なメーカーは インジェクション注射をして塩分濃度を均一にした後、更に塩水浸けて、身に入った水分を抜きます。
こうすることによって身もしまり 美味しい鮭フィレが出来上がります。
こういう作り方をすると水分が抜けますのでその分だけ価格は若干高くなります。
見た目は変わらなくても重さは確実に減っています。
単価は当然高くなります。
ただ良心的な、しっかり作っているメーカーはちゃんとこういう事をやっています。
ひと手間かけているんですね。
業界でもわかってる人は分かっています。
注射して、すぐに冷凍している鮭は切っているとまな板がびしょびしょに濡れてくるんですね。
だけど塩水に浸けるメーカーのものは少し高いけどもまな板が濡れない。
身が締まっていて、脂が凝縮しているので包丁で切りづらい、といいます。
歩留まりが良くて、味も美味しい。
分かる人は分かる。
わからない人はわからない。
ドリップがでる安い鮭は水分が抜けると、その分軽くなります。
また、水分とともに旨味も抜けます。
味も劣るので、長期的にお客さんが離れていきます。
目先の安さに惑わされず、安物買いの銭失いにならないようにちゃんとわかって製品を選んで買いましょう。