さんまは養殖できるのか?水族館では養殖出来ているが課題山積!

こんにちは!フィッシュコーディネーター( @osakana_neta )です。

2023年もさんまの水揚げが少なかったです。

今年はどうなりますでしょうか。

※写真はサンマの水揚げの様子です。

それなら養殖すればいい、と思いますよね。

それがなかなか難しいようです。

関連記事:サンマが獲れない・高い理由を3つ解説します。

さんまは養殖出来るのか?

さんまは研究段階では完全養殖に成功しています。

ただし今のところさんまの商業養殖はできません。コストが合わないからです。

パニックを起こして死にやすいし、エサ代がかかりすぎるからです。ただ、

さんまは完全養殖出来ている!

さんまは研究レベルでは完全養殖出来ています。人工孵化させて8世代まで育てて展示しています。

BUNAのページ参照

福島県の「アクアマリンふくしま」では、平成12年よりサンマを飼育しています。

以前は漁をした時に獲れた稚魚を育てたり、藻にくっついて流れ着いたサンマの卵を孵化させて育ていました。

今はそれとあわせて卵を人工孵化して育てています。

※完全養殖とは、飼育のサンマが卵を産み、その卵が孵って親サンマになり、また卵を産む、というサイクルが出来たことを指します。

サンマの養殖は難しい

とはいえ、そもそもサンマの養殖は難しいそうです。

以下、アクアマリンふくしまのページより引用します。

神経質なため、ちょっとした刺激で水槽の壁にぶつかったり飛び出したりします。寿命も2年程と短く長期の展示は困難な魚です。

ということで、非常に育てにくいし、すぐ死んでしまうようです。

また、生態がまだよくわからない部分もあるそうです。

サンマの研究はあまりされてこなかった

もともとサンマの研究はあまりされてきませんでした。

かつてはたくさん穫れたので、研究がされないのですね。

大衆魚なので、見過ごされていたのですね。

ただ、近年はサンマが獲れなくなってきたので、サンマ養殖の研究が進められています。

サンマの商業養殖にはまだまだ課題が

水族館での養殖に成功したとはいえ、サンマの商業養殖にはまだまだ課題が残ります。

コストは餌代だけで1尾あたり4000円もかかるそうです。

テレビ朝日のサイトより筆者計算

さらにここに光熱費や管理費がかかります。

これではとても採算が取れませんよね。

また、広い水槽でないとサンマが激突死してしまいます。なので場所や設備の確保が必要です。

まとめ

というわけでサンマは養殖出来るのか?というテーマでお話してきました。

まとめると

  • さんまは研究では完全養殖出来ている
  • 商業養殖はまだ先
  • 福島県のアクアマリンふくしまではサンマの養殖に成功し、8世代に渡って飼育。
  • サンマは神経質で短命、育てにくい。
  • かつては研究がされなかったが、最近は獲れなくなり研究が進行中。
  • 商業養殖には高いコストと設備が必要で、現在は採算が取れない。
  • 現時点ではサンマの養殖は難しいが、研究が進行中。

ということでした。

少しずつ研究が進められているので、いずれは養殖出来るようになると思います。

大量に、しかも安価にサンマを養殖できたら、隣国との摩擦にならなくていいですよね。

結局今のところ、サンマの一番よい養殖は、「海の環境や森の環境を良くし、漁獲を管理してさんまを持続的に漁獲できるようにすること」なんでしょうね。

※写真はサンマの入札の様子です。

うなぎみたいに高く売れる魚ならば養殖しても採算がとれるかもしれないので研究する動機になります。

しかしサンマは庶民の味。大衆魚です。

養殖の研究が成功して、大量に養殖しても、価格が下がったら、割りにあいませんね。そんなこともあり、さんまを養殖が進まないのですね。

一応Amazonでもサンマを売っています。

やはり近年では細いようですね。

Amazonでサンマをみる

養殖については近畿大学から出ている以下の本もおすすめです。
<PR>