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こんにちは!フィッシュコーディネーター( @osakana_neta )です。

昨今サンマの水揚げが少ないですね。今年(2022年)も少なそうです。

※写真はサンマの水揚げの様子です。

だったらさんまを養殖すれば?という意見があります。でもそう簡単にサンマの養殖はできないそうです。

関連記事:サンマが獲れない・高い理由を3つ解説します。

サンマは養殖出来る?

サンマは今のところ養殖は出来ません。

なぜ養殖出来ないか、というと

  • 生態がよくわからない
  • 現状では育てる費用が高く、採算が合わない
  • 採算が合わないので研究も進まない

ということです。

ただ水族館レベルでは育てることは出来ているようです(次の項参照)。ただし、卵→親→卵→親という「完全養殖」ではないです。

難しいさんまの養殖 生態がわからない

サンマの養殖は難しいのです。そもそも、生態がよくわかっていないのです。

以下、ウィキペディアより引用です。

“(サンマは)海域によって産卵時期は異なりニシンの様な特定の季節に集中した産卵ではなく、
一定の大きさを超え成熟した個体が産卵するが、「年2回のピークを持った産卵」とする説と「冬を産卵期」とする説があり解明されていない[9]。

また、一度に全ての卵を産卵するのか、あるいは複数回に分けて産卵するのか等も不明である[9]。

たとえば、日本列島の南側の産卵場は、黒潮本流のやや南側の海域とされる[7]が、日本海側では5月から6月に山口県沖[6]。

人工照明下で昼夜を擬似的に再現した環境下での産卵は8時から13時の時間帯に多く、少数ながらも深夜1時台にも観察された。強い照度変化が産卵誘発の要因として示唆される[10]。”

このように、サンマの産卵がよくわかっていないのです。

それはそうですよね。陸上の動物なら、人間は観察できます。しかし海の生き物は人間が潜って観察したり水槽で観察するにも限界があります。漁やサンプル調査などでわずかに生態がわかるだけですね。

生態がよくわからないので、

  • 幼魚のときの餌がわからない
  • 水温や光の加減もよくわからない

ということですね。

だから養殖が困難なのです。

あまりされていないサンマの研究

サンマはたくさん穫れるので、養殖のための研究がされないのですね。大衆魚なので、今まではコストが合わず、あまり研究されませんでした。

ただ、近年はサンマが獲れなくなってきています。なのでサンマ養殖の研究が進められています。

水族館で進むサンマの飼育方法。養殖技術つながるか?!

サンマはアクアマリンふくしまで飼育されています。ですが、以下に書かれているように飼育には非常に困難なようです。

以下、ウィキペディアより引用です。

“日本の福島県にあるアクアマリンふくしま において常設展示用飼育が行われていたが、震災により予備飼育施設「水生生物保全センター」が被災したことにより、2012年8月に展示を中止したが、2013年5月、同所にて展示が再開された[15]。上記の通り短命なのと、非常に臆病な魚でパニックをおこしやすいため、当初は1000匹いたのが2014年10月には30匹に減少している。”

魚を生かすプロの水族館がこういう状況なのです。ましてや養殖業者が参入するのはハードルが高すぎます。

ただ最近では少しずつサンマの研究が進んでいます。

以下、日刊ゲンダイからの引用です。

「サンマは、養殖が非常に難しい魚ですが、『アクアマリンふくしま』が世界で初めて卵からのふ化に成功。実用化は、まだいくつものハードルをクリアして低価格化を実現しないと難しい状況ですが、今後、いろいろな魚が養殖に置き換わっていくことは間違いありません。多くの魚が、中国や台湾などと争奪戦ですから」

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/258474/2

日刊ゲンタイのページより

今の所、卵から孵った魚が卵を産み、その卵が孵る「完全養殖」というわけではなさそうです。でも期待が持てる記事ですね!

結論:サンマは今のところ養殖出来ない。でも少しずつ進んでいる!

結論、今のところサンマは養殖出来ないということです。でも少しずつ研究が進められているので、いずれは養殖出来るようになると思います。大量に、しかも安価にサンマを養殖できたら、隣国との摩擦にならなくていいですよね。

結局今のところ、サンマの一番よい養殖は、「海の環境や森の環境を良くし、漁獲を管理してさんまを持続的に漁獲できるようにすること」なんでしょうね。

※写真はサンマの入札の様子です。

うなぎみたいに高く売れる魚ならば養殖しても採算がとれるかもしれないので研究する動機になります。

しかしサンマは庶民の味。大衆魚です。

養殖の研究が成功して、大量に養殖しても、価格が下がったら、割りにあいませんね。そんなこともあり、さんまを養殖が進まないのですね。

一応Amazonでもサンマを売っています。

やはり近年では細いようですね。

Amazonでサンマをみる

養殖については近畿大学から出ている以下の本もおすすめです。
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関連記事:サンマが獲れない・高い理由を3つ解説します。

また、大衆魚でいうと、スルメイカも同じです。こちらも不漁が続いています。そして養殖が困難なこともサンマに似ています。スルメイカの養殖についての記事もご覧ください。↓

イカは養殖出来るのか?

関連記事:養殖出来ない魚、出来る魚