テレビ等で鰹(かつお)の一本釣りの様子がドキュメント的に放送されていますね。
かつお漁船が水揚げ額を競っている様子が映されています。
船員さんは大変なんですね。
何カ月も船の上での生活。
休みもあまりなく、家族とも会えず、「板の下は地獄」というような仕事でさぞかしストレスがたまることでしょう。
と思いきや船員さんたちの表情は明るく感じました。
「B1かつお」は一本釣りブライン瞬間凍結冷凍最高品質のこと
さて、ここで放送されている漁船の漁法は一本釣りです。
業界のグレードとしてはB1(ビーワン)と呼ばれいるものもあります。
カツオのB1とは、
- 一本釣りのもの
- ブライン液で瞬間凍結させたもの
- 丁寧に扱い、最高品質のもの
というものです。
以下、詳しくみていきましょう。
釣り物の品質は高い
釣りものは品質が高いです。
なぜなら
- 餌を食べている元気なかつおだから
- 網による打ち身が無いから
- 釣り上げてから瞬間凍結まで一瞬だから
という理由です。
に入ってから
を釣り上げ、瞬間凍結するため、冷凍物としては最高品質です。
鰹(かつお)は急速に凍結させるために-20℃のブライン液に投入します。ブライン液は塩水など、凍らない液体のことです。食品なので、塩水の事が多いと思います。
これを「ブライン凍結」と言います。
その後、超低温冷凍庫にて厳重に保管します、
丁寧な温度管理で鮮度抜群です。
ブラインでの凍結方法でも、格別に鮮度管理しているので、一級品「B1」と呼ばれています。
PSとは? ~巻き網漁の一級品
またかつおのPS(ぴーえす)とは、 purseseine=巾着網 special=特別な の略です。
- 巻網で漁獲して
- 丁寧に取り扱ったもの
ということです。
巻き網漁法は網で魚を獲る方法です。
なので網に絡まって魚が弱ったり、死んだりします。
そのため釣りに比べると鮮度が落ちたり、傷んでいる場合があります。
そんな巻き網ものでも、丁寧に扱ったもの、選別して品質の良いものが「PS」と呼ばれています。
一本釣りほどではありませんが、丁寧に扱うことで、キズがつきません。
(キズのあるものは選別してはじきます。)
そしてブライン凍結により瞬間的に凍結します。
これが「PS」かつおです。
これは刺身で食べられるグレードです。
ブラインかつお
前述のとおり、ブライン凍結は-20℃の塩水などの不凍液で瞬間的に凍らせる技術です。
そのため鰹にキズがあるとそこから塩水が体内にしみこみます。
そうしてしょっぱくなった鰹が「ブラインかつお」と呼ばれています。
刺身で食べられないことはないですが、しょっぱい場合があります。
このかつおは主に加工用に回ったり、「かつおのたたき」にされたりします。
産地によるグレード、東、南方の意味
鰹は産地によってもグレードが違います。
日本の近海で漁獲されているのは「東(ひがし)」のもの、と呼ばれています。
これは黒潮や親潮の栄養を吸収しているため、脂が乗り、美味しいです。
また、南方ものと呼ばれるかつおもあります。
これは主に大型船で巻き網などで漁獲されます。
こちらは赤道の近くで漁獲されます。
暑い地方なので、脂の乗りは少なくなります。
冷凍かつおのグレードまとめ
冷凍の鰹のグレードをまとめると
1.B1(ブライン凍結一本釣り)
2.PS(ブライン凍結巻き網 良品)
3.ブライン(ブライン凍結巻き網 二番手)
このような順位となっています。
また産地としては
- 東(ひがし。日本近海)
- 南方もの(赤道の近く)
という順位になっています。
このように魚には漁獲方法や取り扱い方法によってグレードがあります。
単純に安い、高いだけではなく、そのあたりも頭に入れて魚を選ぶと面白いですよ。
また販売する側もぜひ、グレードごとにお客さんの求めるものを販売していただきたいものです。