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魚にたまに起こる現象、ゼリーミート(ジェリーミート)って聞いたことがありますか?
魚の身がゼリー(ジェリー)のように溶けてしまうことです。
ジェリーミートと言ったりもしますが、ジェリーよりもゼリーの方が日本人には馴染みがあるため、以下ゼリーミートと呼ぶことにします。
ぜミートは、身がグズグズ、ドロドロに溶ける!
ゼリーミートは身がグズグズ、あるいはトロトロに溶ける現象です。
下手すると身が崩れて原型をとどめなくなってしまうこともあります。
口に入れるとトロッと、して食べられません。
以下の画像はゼリーミートです。
少し分かりにくいですが、身が溶けてぶよぶよしています。
左下の切り身は身がゆるくなっているのがわかりやすいようです。
このようにドロドロ、グズグズに溶けてしまうのがゼリーミートです。
ゼリーミートはどんな魚に多いか
ゼリーミートとはどんな魚に多いのでしょうか。
一般的には脂の乗った魚に多いです。
- サバ
- カレイ
- 銀だら
などですね。
魚屋をやっていますと、特にサバは1年に一度はゼリーミートのクレームがきます。
でも最近は減った印象です。
国産のサバよりもヨーロッパ産のサバに多い印象です。
ゼリーミートの原因は寄生虫
ゼリーミートの原因は寄生虫といわれています。
ウィキペディアには「ホシガタクドア」という寄生虫がゼリーミートを引き起こす、と書かれています。
ジェリーミート(死後筋肉融解)は魚を収穫した後に筋肉が溶けて商品価値が失われる現象で、ホシガタクドア(Kudoa thyrsites)などが引き起こす。魚の死後にタンパク質分解酵素を分泌して周囲の組織を融解するのが原因とされている[7]。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%89%E3%82%A2より引用
ただ、寄生されてもゼリーミートにならない場合もあります。
それは魚の死後、すぐに凍結する場合です。
寄生虫以外のゼリーミートの原因
他にゼリーミートが発生する原因として、
- 鮮度の劣化
- 解凍と凍結を繰り返す
- 味噌などに漬け込み、発酵が進んだ
などが考えられます。
冒頭で、国産のサバよりもヨーロッパ産のサバにゼリーミートが多い、と書きました。
それは冷凍したサバを中国などで解凍して加工、その後また冷凍するので、身が弱くなるからだと考えています。
関連サイト:コープ商品検査センター様のサイト
また、寄生虫により弱ったり、鮮度の良くない魚を、発酵資材の味噌や糀などで漬け込んだりするとゼリーミートになりやすくなります。
ゼリーミートは食べられるのか?
ゼリーミートは食べられるのでしょうか。衛生上、加熱してあれば食べられます。
実際私も食べたことがあります。
食べてから「何か変だな?」と気が付きました。
その時、体はなんとも無かったです(個人差があると思います)。
また、生食は避けた方がいいです。
前述のように、ゼリーミートは寄生虫が原因のことがほとんどだからです。
このクドアの仲間には食中毒を引き起こすものもいます。
なので、食べない方が無難です。基本的にゼリーミートは食べられない、と思ってもらえばいいです。
クドアの食中毒に関しては以下のページをご覧ください。
魚に寄生するクドアとは?
https://fish-neta.com/kudoa-amamiensis/
ゼリーミートを防ぐ方法
ゼリーミートを防ぐには どうしたらよいでしょうか。
それには
- 水揚げ後、魚を急速凍結する
- 出来れば船内で凍結する
- 解凍、凍結を繰り返さない
ということが必要です。
前述の寄生虫「ホシガタクドア」が原因の場合は、特に水揚げ後すぐさま凍結することが大切です。
冷凍すれば寄生虫は活動出来なくなり、24時間後にはほとんど死んでしまうからです。
ゼリーミートは防げるのか?加工する時にわからないのか?
ゼリーミートは防げるのでしょうか。上記の対策をしても完全に防ぐことは出来ません。
また、加工の段階では問題なくても、売場で変化することも多々あります。
そのためどうしてもゼリーミートを防げません。
ゼリーミートは返金してもらえる?
そもそもゼリーミートは身がドロドロになっているので、美味しくないです。
舌触りも悪いし、不味いです。とてもお客様には出せません。
なので、ゼリーミートを知っているお店なら品物とレシートを見せれば返金してもらえるはずです。
私も何度か返品を受けました。
ただし冷凍の状態ではわからないので、解凍したものを見せましょう。
ゼリーミートの魚を買わないために
ゼリーミートの魚を買わないためには
- 鮮度の悪そうなものは避ける
- 身が溶けているように見える場合は買わない
- 安すぎるものは疑う
ということが大切です。
品質は価格に反映されますからね。掘り出し物と思って購入すると、ゼリーミートが発生する、ということもあります。
とはいえ、上記に気を付けていてもゼリーミートがある場合があります。
脂の乗った美味しい魚にはゼリーミートの問題がつきまとうという、ということになりますね。
ジェリーミート(ゼリーミート)とは?まとめ
というわけでゼリーミートについてみてきました。
まとめると
- ゼリーミートとは、魚の身がゼリーのように溶ける現象。
- 主な原因は寄生虫のクドア。
- 衛生上、加熱してあれば食べられるが、美味しくない
- ゼリーミートの防止策として、急速凍結すること。解凍・凍結の繰り返しを避けること。
- 防止策を講じても完全に防げず、加工段階では問題なくても売場で変化することがある。
- お店で返金を求める場合、解凍したものを見せると良い。
- ゼリーミートの魚を買わないためには、鮮度の悪そうなものや身が溶けているように見えるものを避けること。
ということでした。
ご参考になさってくださいね!