「クロマグロが増えている」と聞くと、良いニュースのように思えます。
しかし、漁業の現場では今、少し複雑な問題が起きています。
漁獲枠を超えると、水揚げできない
近年、資源管理の成果もあり、クロマグロは回復傾向にあります。
ところが、漁獲枠を使い切った後に定置網へクロマグロが入ってしまうと、水揚げすることはできません。
そのため、漁師は放流しなければならないのです。
しかし、大型のクロマグロは網の中で暴れたり、長時間網に入っていたりすると大きなダメージを受けます。

放流しても、そのまま沈んでいくケースもあり、現場では「助からないことも多い」と言われています。
「獲れているのに売れない。」
これが今のクロマグロ漁の現実です。
クロマグロが増えると、イワシやサバはどうなる?
クロマグロは海の頂点に近い大型捕食魚です。
主なエサは、
- イワシ
- サバ
- アジ
- イカ類
などです。
そのため、クロマグロが増えれば、エサとなる魚への捕食圧が高まる可能性があります。

最近、「イワシやサバが少ない」と感じる漁業者も少なくありません。
もちろん、その原因はクロマグロだけではありません。
海水温の上昇、黒潮の変化、魚の資源量の自然な増減、人間による漁獲など、さまざまな要因が重なっています。
それでも、増えた大型魚による捕食が一つの要因として注目されているのは事実です。
海はすべてつながっている
資源管理は、「一つの魚だけ守ればいい」という単純な話ではありません。
クロマグロを守れば資源は回復します。
しかし、そのクロマグロは大量のイワシやサバを食べます。
逆にイワシを増やそうとすれば、クロマグロにとって豊富なエサになります。
海の生き物は食物連鎖でつながっているため、一つの魚種だけを見ていては、本当の姿は見えてきません。
だからこそ現在は、「魚種ごとの管理」だけではなく、「海の生態系全体を考えた資源管理」が重要だと考えられています。
まとめ
クロマグロが増えたこと自体は、資源管理の成果と言えるでしょう。
しかし、その一方で、
- 漁獲枠不足による放流
- 放流後の生残率という課題
- イワシやサバへの捕食圧
といった新たな問題も生まれています。
海の資源管理には、「正解が一つ」という答えはありません。
魚を守ることと、漁業を守ること、その両方のバランスをどう取るか。
今後ますます重要なテーマになっていくでしょう。
この記事が参考になったら、ぜひコメントであなたの意見も聞かせてください。「資源管理」と「漁業経営」の両立について、一緒に考えてみましょう。

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