オーガニック商品はまずい!?
オーガニック食材を使った食材が美味しくない、という意見を時々聞きます。
はたして本当に美味しくないのでしょうか。
オーガニック食品とは?
そもそも、オーガニックとは何なのでしょうか。
コトバンクによると
農薬や化学肥料を使わずに生産された農作物のことだそうです。
https://kotobank.jp/word/%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%AC%E3%83%8B%E3%83%83%E3%82
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厳密には農林水産省が定める有機JAS規格があります。
これを取得していないとオーガニックと表示できません。
というわけで農薬や化学肥料を使っていないので、自然に近い味、といえます。
自然に近い味とは?
自然の植物は本来自分の体を守るために様々な対策を取っています。
食べる側としたら、それがえぐみにつながります。
また逆に味が薄く感じ、それが物足りなさにつながります。
奇跡のリンゴで有名な木村秋則さんによると、「虫は植物の悪いところを食べてくれる」とのことです。
本来植物は種が落ちて、そこが自分にとって心地良い場合のみ成長します。
心地が悪い場合は芽吹いても育たず、枯れてしまいます。
また、そもそも発芽すらしない場合もあります。
一方畑は同じ場所に乾燥地帯、南国原産、北国原産関係なく育てます。
そのため人間の手で人工的に原産地の環境を再現してあげる必要があります。
しかし原産地と同じような環境にするのは至難の業です。
それを補うために農薬を使ったり、化学肥料を使ったりするのですね。
たとえばリンゴ。
リンゴの原産は北コーカサス山脈と言われています。
ここは冷涼な気候の土地です。
また、日本ほど雨も降りません。
こういう土地の植物を日本に持ってくると虫にやられます。
そもそもバラ科の植物であるリンゴは日本で栽培するためには消毒が欠かせません。
日本人の味覚がぼけてしまったせい
日本人の味覚がぼけてしまったのもオーガニックがまずいとなる理由です。
日本人の味覚はますます「わかりやすさ」を求めています。
魚や肉は脂があるものがよい、とされています。
しかし江戸時代はマグロのトロなんかは「気持ち悪い」といって捨てられていたこともあるそうです。
ネギ間串は本当は「ネギマ」で「ネギとマグロ」だったそうです。
マグロの脂身が気持ち悪いので、ネギと焼いてさっぱり食べましょう、ということで
す。
アメリカをみても分かります。
アメリカの料理は大味だと言われています。
甘い、しょっぱい、辛い。
極端で、その中間の香りや旨味、風味があまりないようです。
これもアメリカ人の味覚がぼやけてしまったということなのではないでしょうか。
そしてそれは日本人の未来像です。
結局オーガニックを味わうには普段から薄味、うま味調味料を控え、素材の美味しさ
を引き出した料理を食べる必要があります。
それによって味覚が回復していきます。
また子供のころの食育も大事です。
かといって別に化学肥料を使ったものが悪いとも思いません。
残留農薬は問題ですが。
偏らず、色々食べるのが一番!
安くて美味しくて安全ならば別に有機栽培でなくてもよいと思います。
結局かたよらずいろいろな食材を食べるのが一番のリスクヘッジなのではないでしょうか。
以前NHKのテレビ番組「ダーウィンが来た」でザンジバルアカコロブスという猿の特集をやっていました。
通常この猿は様々な植物を食べています。
しかし人里近くに住む一団は数種類の植物しか食べません。
これは人間が食用とするため、マンゴ―などの数種類の植物しか植えていない為です。
これらの猿にはアルカロイドが蓄積しているそうです。
そのためこの猿の一団は炭を食べ、アルカロイドを体外に排出するのだとか。
こうして考えると特定の有機食品だけ食べるくらいなら、さまざまな食品を食べたほうがリスクヘッジになるように思います。