先日当社で納めた昆布巻がの味が薄いというクレームをいただきました。

工場に確認したところ味は昔からずっと変えていないということです。

その昆布の微妙な個体差により味を吸わなかったのではないか?というお話でした。

確かにレシピを変えない、昔からのレシピを守るというのも一つ大事なことだと思います。

ただそれを聞いた時に昔から支持されているラーメン屋だったかな?の話を思い出しました。

そのラーメン屋さんに昔から通う人は、昔から変わらない味だ、と言います。

久しぶりに食べると 懐かしく感じると言います。
また、新しく来たお客さんも美味しいと言ってくれるそうです。

でも果たして人間の味覚ってそんなに記憶力が良いのでしょうか?

そのラーメン屋さん曰く味を毎年アップデートしているということでした。

なぜならお客さんの味覚好みは少しずつ変わっているから。

確かに考えてみれば 少しずつ味の濃いもの 、旨味の強いものに慣れてきたら、昔の食べ物なんて味が薄くて食べられません。

実際昔珍重されていた新巻鮭も今じゃ脂がないと言って敬遠されてしまいます。

こういう風にお客さんはより美味しいものが出てきた時、そしてそれが一般的になった時に その味に慣れてしまうんですね。

そして慣れてしまうともうそれがベースになってしまう。

そして久々に懐かしいラーメン屋さんに行くと、ちょっと味が薄いなとか、旨味が足りないなと感じてしまうんですね。

これは私の考えですが人間の舌の記憶でそんなに正確じゃないと思います。

ただ、嗅覚の記憶力はすこいです。

香りは 人間の脳に近いところにあり、かなり正確に 記憶できるそうですね。

昔の香りを嗅いだ途端に昔の記憶が蘇ったという記憶も皆さんにはあるのではないでしょうか。

昔変わらないでいるためには変わり続ける必要があるという言葉が流行りました。

中国の故事になぞらえて 小沢一郎さんが胡錦濤国家主席に言った言葉だそうです。

これなんですよね。

昔から変わらないのが いいかといえば私はそうは思いません。

昔から変わらないでいるのは香りだけ。

味の方は常にアップデートしなければ時代に置いていかれてしまいます。

それではなぜだんだん味が濃くなるのでしょうか?

味の濃さというのはたいてい塩味と同じ意味です。

だんだん濃くなっていく宿命にあるといえます。

例えばだし汁をただ飲んでもそんなに美味しくはないです。

しかしそこに少し塩を入れると途端にとても美味しい飲み物になります。

味噌汁やスープが美味しいのもこの理由ですね。

そんなこんなで他の店よりちょっとでも印象に残したい各お店は少しずつ意識しないで少しずつ味が濃くなってしまうんですね。

そうすると昔ながらのレシピを守っているとこは逆に味が薄いと感じられてしまうのです。

守らなければいけないのは香り風味であって 味覚の方は少しずつほんの少しずつアップデートしていく必要があると思います。

そう考えていくと 昔からのレシピを守っているという工場の言い分は言い訳にしか聞こえません。

やはり今の味覚に合わせて少しずつ変えていくしかも変えない部分は変えない、という難しい調味が求められます。


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