
最近はだし入り味噌や、和風だしの素に押されて、存在感の薄くなったのが煮干です。
和風だしも美味しいですが、煮干でとる出汁も、煮干の風味があって美味しいですよ。
今日は真いわしから作られる「平子煮干」の選び方を、食べ比べての実体験から解説したいと思います。
平子煮干の大きさによる選び方
ピラミッド煮干には大きなもの、小さいもの、色々あります。
どちらが良い煮干しなのでしょうか。
大きさによる味の違い
平子煮干し大きさによって味が違うのでしょうか。
大きい方が良く出汁が出る、というのが定説です。
しかし僕はベテランの魚屋さんから「小さい方が上品な良い出汁が出るんだよ」と言われました。
実際のところ、どうなのか、実験してみました。
大小の平子煮干をそのまま味見!
まず茹でる前に大小の平子煮干をそのまま食べてみます。
これはそのまんま食べた時と、茹でて出汁を取った時に、味の印象が変わるのか?という疑問からです。
もしそのまま食べた時と茹でたときの印象か近いとしたら、煮干をそのまま食べれば大体の出汁の出方が予想できる、と思ったからです。
実際食べ比べると、どっちも塩気が効いてて美味しかったです。
ただ、微妙な違いですが、大きい方が美味しかった気がします。
小さい方ははじめに甘みがドーンとくるのですが、旨味の量は少ない気がしました。
それに対して大きい方の旨味は、はじめはなかなか来なかったです。
でも後から旨味がにじみ出てきました。
噛めば噛むほど味が出るという感じです。
これは小さい方が噛み砕きやすかったため、と考えています。
逆に大きい方は噛み砕くのに時間がかかったので、後から旨味がきた、と考えられます。
果たして茹でてみて味の違いわかるのでしょうか。
いよいよ大小の平子煮干を茹でる!
まず頭を取って200cc のお湯で茹でてみます。
同じ時間煮出した場合の出汁の出方を比べてみます。
茹で汁は、大きい平子煮干の方が黄色い色をしています。
その分、出汁が出ているのかな?という想像されます。
ここでちょっと誤算だったのが、小さい煮干のテフロン加工の鍋の方がなかなか沸騰しない、ということ。
案の定、出汁が出ている感じがしません。
そのため、小さい煮干のほうをもう少し煮出すことにしました。
大小の平子煮干の比較!味は?
色はやっぱり大きな煮干が濃いです。
飲んでみると小さい煮干の方は出汁感がほとんどありませんでした。
大きい方は、口の中に旨味が広がりました。
塩などを全く入れなかったので美味しくはないです。
でも旨味はしっかりと感じました。
反省点としては
- 鍋の条件が違うこと
- 煮干の重さをきっちり計らなかったこと
でした。
両方共、小さい煮干に不利な条件でした。
そこで、小さい煮干だけ、沸騰しやすい鍋に入れ、量を増やして再チャレンジです。
小さい煮干を4本に増やし、茹でること10分。
濃い出し汁が取れました。
飲んでみると、まずまずの出汁がとれています。
やはりゆで方と煮干の量に問題があった気がします。
平子煮干の大きさによる出汁の出方の結論は?
結局、煮干の重さが同じなら、大小どちらも同じくらい出汁が出る、というのが僕の結論でした。
大きい方が出汁が出るという仮説は今回の実験では確認出来ませんでした。
そのまま煮干を食べた印象と出汁の印象が近い!
ただ、今回解ったことは、煮干をそのまま食べた時と出汁の印象が近い、ということでした。
今回の煮干の場合、大きい煮干の方がまろやかな旨味がありました。
その印象が出汁にも影響していたと思います。
小さい煮干を食べた時、少し脂臭く感じていました。
それが出汁にも影響していました。
ということで煮干を選ぶときは、出来れば直接食べて味見をするといいと思います。
平子煮干の選び方まとめ
今回の実験では、大きさによる出汁の出方には差がなかった印象です。
ただそのまま煮干を食べると大体の出汁の出方がわかるので、食べてみることをおすすめします。
目で見て選ぶ時は以下のポイントに注意しましょう。
- 脂やけしていない(黄色くないもの)
- 薄皮がきれいに剥けている
- 腹が破れていない
というところです。
脂やけしていると、出汁の香りが悪くなります。
煮干を食べ比べていて気が付きましたが、薄皮がついていると、雑味が出る感じがしました。
腹が破れていると、鮮度落ちの証拠です。
いわしは鮮度が悪いと腹が腐ります。
以前値下げになったいわしをさばいて食べましたが、腹が溶けて無くなってしまいました。
平子煮干は、以上のようなポイントを確認してください。
そして煮干で美味しい出汁を取ってくださいね!