身欠きにしんを買おうとすると、
「本乾」
「8分乾」
「ソフト」
などと書かれていることがあります。
「何が違うの?」
と思いますよね。
簡単にいうと、大きな違いは乾燥の程度です。
しっかり乾燥させた昔ながらのものが本乾。それより乾燥を弱くしたものが8分乾やソフトタイプです。
乾燥具合が違うため、硬さだけでなく、調理前に戻す時間や使い勝手も変わってきます。
私は水産卸の仕事で身欠きにしんを扱っています。
この記事では、本乾・8分乾・ソフト身欠きにしんの違いと、それぞれの使い方を分かりやすく解説します。
※そもそも身欠きにしんとは何なのか、歴史や食文化については別の記事で詳しく紹介しています。
【内部リンク:身欠きにしんとは?】
本乾・8分乾・ソフトの違い

まず、大まかな違いをまとめます。
| 種類 | 乾燥度 | 硬さ | 戻す手間 |
|---|---|---|---|
| 本乾 | 強い | 非常に硬い | 時間をかけて戻す |
| 8分乾 | 本乾より弱い | 本乾よりやわらかい | 本乾より短い |
| ソフト | 弱い | やわらかい | 商品によっては戻さず調理可能 |
覚え方としては、
乾燥が強いほど硬く、戻すのに時間がかかる
と考えると分かりやすいでしょう。
ただし、「8分乾」「ソフト」などの名称や乾燥状態は、メーカー・商品によって差があります。
実際に調理するときは商品の表示を確認してください。
本乾身欠きにしんとは?
本乾は、しっかりと乾燥させた昔ながらの身欠きにしんです。
水分がかなり抜けているため、非常に硬いのが特徴です。
初めて触ると、
「木みたいに硬い!」
と感じるかもしれません。
この硬さが、本乾身欠きにしんの大きな特徴です。
そのまますぐ煮てもなかなかやわらかくならないため、基本的には水分を吸わせて戻してから料理します。
手間はかかりますが、乾燥させた魚ならではの風味を楽しめます。
本乾身欠きにしんの戻し方
昔からよく使われてきたのが、
米のとぎ汁
で戻す方法です。
一般的には、
- 身欠きにしんを米のとぎ汁に浸す
- 冷蔵庫など低温で戻す
- とぎ汁を適宜交換する
- 十分やわらかくなったら洗う
- 必要な下処理をして料理する
という流れです。
本乾はしっかり乾燥しているため、戻すのに時間がかかります。
ただし、必要な時間は商品の乾燥状態や大きさなどによって違います。
「本乾なら必ず○日」と決めつけず、購入した商品の表示を優先してください。
なぜ米のとぎ汁で戻すの?
身欠きにしんの戻し方として「米のとぎ汁」が昔から使われています。
新潟の郷土料理「身欠きにしんの糀漬け」などでも、身欠きにしんを米のとぎ汁や米ぬかを溶いた水で戻す方法があります。
身を戻しながら、身欠きにしん特有のクセを和らげて調理しやすくする昔ながらの知恵です。
普通の水で戻す方法もありますので、料理や商品に合わせて使い分ければいいでしょう。
8分乾身欠きにしんとは?
8分乾は、本乾より乾燥を弱く仕上げた身欠きにしんです。
本乾ほどカチカチではなく、戻す時間も短くできます。
つまり、
本乾では手間がかかりすぎる。でも、身欠きにしんらしい風味は楽しみたい
という場合に使いやすいタイプです。
ただし「8分乾」という名前から、
「水分が20%残っている」
などと単純に考えない方がいいでしょう。
商品の製法や規格によって状態には違いがあります。
名称だけで戻し時間を決めず、商品表示を確認することをおすすめします。
ソフト身欠きにしんとは?
ソフト身欠きにしんは、本乾より乾燥を弱くして、やわらかく仕上げたタイプです。
最大の特徴は、
調理しやすいこと。
商品によっては長時間水で戻す必要がなく、そのまま煮物などの調理に使えるものがあります。
昔ながらの本乾は数日前から準備しなければならないことがありますが、ソフトタイプなら家庭でも手軽に使えます。
現在の生活には非常に使いやすい身欠きにしんですね。
「ソフト=そのまま食べられる」ではない
ここは間違いやすいポイントです。
ソフト身欠きにしんの「ソフト」は、
身がやわらかい、乾燥が弱い
という意味で使われています。
そのため、
ソフト=加熱せずそのまま食べられる
とは限りません。
「戻さずそのまま調理に使える」と「袋を開けてそのまま食べられる」は別の話です。
商品によって加工状態が異なるため、必ず表示を確認してください。
この点については別の記事で詳しく解説しています。
【内部リンク:ソフト身欠きにしんはそのまま食べられる?】
本乾とソフトでは味も違う?
同じニシンでも、乾燥の程度が違えば食感や風味にも違いが出ます。
本乾は水分をしっかり抜いているため、戻して料理すると乾燥魚らしい独特の風味があります。
一方、ソフトタイプは乾燥が弱いため、比較的生のニシンに近いやわらかな食感を残した商品もあります。
どちらが上ということではありません。
昔ながらの身欠きにしんらしさを楽しむなら本乾。
手軽さを重視するならソフト。
という選び方もできます。
本乾はどんな料理に向いている?
本乾身欠きにしんは、じっくり戻してから煮る料理と相性がいいです。
たとえば、
甘露煮
にしんそば
昆布巻き
にしんなす
糀漬け
など。
時間をかけて戻して煮込む、昔ながらの料理に向いています。
乾燥したニシン独特の風味を楽しみたいなら、本乾を選んでみるのも面白いでしょう。
ソフト身欠きにしんはどんな料理に向いている?
ソフトタイプの魅力は手軽さです。
商品によっては長時間戻す必要がないので、
煮物
甘露煮
焼き物
なすとの煮物
などに使いやすいです。
「身欠きにしんを料理してみたいけれど、何日も戻すのは面倒」
という人なら、まずソフトタイプから試してみるのもいいでしょう。
どれを買えばいい?
迷ったら、作りたい料理と手間で選びましょう。
昔ながらの身欠きにしんを楽しみたい
→ 本乾
戻す時間はかかりますが、昔ながらの乾燥ニシンの風味を楽しめます。
本乾ほど手間をかけたくない
→ 8分乾
本乾より戻しやすく、乾燥ニシンらしさもあります。
とにかく簡単に料理したい
→ ソフト
長時間の戻し作業が必要ない商品もあり、家庭で使いやすいタイプです。
ただし、商品によって乾燥状態や調理方法は違います。
最後は必ずパッケージ表示を確認してください。
水産卸では「乾燥度」を確認することが大切
身欠きにしんを扱っていると、「身欠きにしん」という商品名だけでは十分ではないことがあります。
同じ身欠きにしんでも、
本乾なのか
8分乾なのか
ソフトなのか
によって商品がまったく違うからです。
これは一般の人が購入するときも同じです。
「身欠きにしん」とだけ考えず、
どのくらい乾燥した商品なのか
を見ると、買った後に「思っていたものと違った」という失敗が少なくなります。
本乾・8分乾・ソフト身欠きにしんの違いまとめ
身欠きにしんには、
本乾
8分乾
ソフト
などがあります。
大きな違いは乾燥の程度です。
本乾はしっかり乾燥しているため非常に硬く、時間をかけて戻して使います。
8分乾は本乾より乾燥が弱く、比較的短い時間で戻せます。
ソフト身欠きにしんはさらに扱いやすく、商品によっては長時間戻さず、そのまま調理に使えます。
ただし、
「ソフト=加熱せずそのまま食べられる」ではありません。
生食できるかどうかは商品の表示を確認してください。
身欠きにしんを購入するときは、
「本乾・8分乾・ソフトのどれなのか?」
を確認する。
これだけでも、身欠きにしん選びはかなり分かりやすくなります。
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