筋子、イクラの賞味期限や、菌数の数え方はどうなのでしょうか。またどのくらい日持ちがするものなのでしょうか。

筋子、イクラの菌数を測る時のCFU/gとは?
はじめに、菌数を測る単位「CFU/g」をご紹介します。賞味期限を設定する参考になるので確認してみてくださいね。
CFU/gは1gあたりの細菌のコロニー数のことです。「Colony Forming Unit」の略です。
通常このコロニー数を菌数としてカウントしているそうです。その場合は10の3乗CFU/gというように単位であるCFU/gCFU/mlを付けるのが普通です。
CFU/gを測る基準
CFU/gは培養条件は35°C で48時間放置して調べます。普通の冷蔵環境ではなく、かなりの高温で放置するのですね。
イクラや筋子の生菌数
例えばイクラは、一般生菌数として、10の3乗以下のCFU/g(つまり1グラムあたり1000個)なら標準的です。
北海道立総合研究機構様のページ参照
https://www.hro.or.jp/upload/36913/24sake.pdf
また、コープきんき様のページ(PDF)によると、イクラ、筋子類は50万CFU/gとのことです。ただしこちらは流通段階の自主検査となります。
CFU/gについては後で解説します。
イクラの菌数、国の基準は10の5乗/g以下
ところで国のイクラ菌数基準は10の5乗/g以下とのことです。
参照︰厚生労働省「イクラ製品の衛生的取り扱いについて」
これがCFU/gなのか、本当に数を数えているのかはわかりません。
ただ、10の5乗CFU/gなら結構菌が増えても大丈夫ということですね。
賞味期限設定の注意点・一般生菌数では食中毒菌は計測していない
しかし、一般生菌数検査では食中毒菌は計測できません。菌数が基準範囲内でも食中毒菌が含まれていないとは限りません。
具体的には以下のような高リスクな菌はそれぞれ探す必要があります。
- ボツリヌス菌
- カンピロバクター
- 腸炎ビブリオ
などはそれぞれ探す必要があるのですね。
なので、菌数が基準の範囲内だからといって、安心はできないのですね。
腐敗した時の菌数
食べ物のが古くなったりすると変な味がしたり酸っぱくなったりしますよね。
実際食品が腐敗いする時、菌数はどのようになっているのでしょうか。
一般的に野菜や魚が腐敗するときは微生物の数は、 1 g あたり10の7乗から10の8乗CFU/gの細菌が存在している。
食品中の一般生菌数の目安や基準値の理由、データの読み方を理解する
より記事引用
上記木村凡さんのページはなかなか参考になります。
魚介類で10の3乗から4乗の生菌数は普通
生の魚に一般生菌数として、10の3乗CFU/gならば普通のようですね。
新鮮な魚や野菜で、10の3から10の4乗CFU/gの一般生菌数が出るのは普通である。
一般生菌数の意味を正しく理解しよう
より記事引用
イクラ、筋子の賞味期限は?
塩分2-3%の塩蔵イクラを10℃で保存の場合、5日以内とするそうです。筋子に関しても同じくらいの賞味期限と考えられます。
https://www.hro.or.jp/list/fisheries/marine/att/24sake.pdf
釧路水産試験場のページ参照
ただもちろん商品ごとに違います。一概にはいえません。その商品ごとに検査をして、安全な範囲で賞味期限を設定するべきです。
筋子、いくらの菌数、賞味期限は?まとめ
というわけで筋子、イクラの菌数基準について解説してきました。
まとめると
- 菌数を数える単位はCFU/g
- CFU/gは一定の条件で培養した菌のコロニー数
- いくらや筋子の菌数は10の3乗以下CFU/gが標準
- イクラ菌数基準は10の5乗/g以下
- 一般生菌数検査では、食中毒菌は計測できない
- 腐敗する時の菌数は10の8乗CFU/g
- 生魚の生菌数は10の3乗CFU/gならば普通
- 塩蔵イクラ、筋子の賞味期限は冷蔵10℃5日以内
- ↑ただし商品ごとに検査が必須
ということでした。
菌数の基準値は安全性の目安となりますが、商品ごとに検査が必要です。それから菌数が基準範囲内でも食中毒菌が含まれていないとは限りらない、ということですね。
ご参考になさってくださいね!
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