「丘」のマークがついた鮭や「沖」のハンコが押してあるマスを見かけることがあります。
この違いは一体何なのでしょうか。
丘とは?丘塩とは?
丘というのは陸地に近いところで漁獲された魚、という意味です。
主に日帰り船(日帰りで帰ってくる小型の船)で漁獲されたものです。
そのため鮮度がよいともいえます。
また、陸地に近いほうがプランクトンが豊富です。
その豊富な栄養を食べているので美味しいです。
丘塩とは?
丘塩、という言葉もよく聞きます。
丘塩というのは、漁獲して、陸に上げてから塩蔵加工をしている、という意味です。
現代では陸地に上げてから塩蔵加工をして、すぐに急速凍結をかけます。
そのため、塩がなじまず、甘塩になります。
しょっぱくないのですね。
だから「丘塩」というと「しょっぱくない」というイメージを持つ方もいらっしゃいます。
沖とは?沖塩とは?
沖、というのは遠くまで(沖)漁獲に行っている、という意味です。
遠くまで獲りにいっているので、日帰りで帰ってこれません。
そのかわり何日も航海して、たくさん魚を漁獲します。
なので中型船~大型船が漁獲しているものは沖の印がついている、とも言えます。
また、沖へ行けば行くほど陸地の栄養が少ないです。
そのため脂の乗りも少なめです。
沖は鮮度が悪い?
先ほど「丘(日帰り船)は鮮度がいい」と言いました。
それでは沖は数日航海するので、鮮度が悪いのでしょうか。
確かに一面ではそうとも言えます。
でも鮭などは、とれたてよりも少し時間をかけて熟成させたほうが美味しくなるといわれています。
実際北海道の道東地区では、漁獲後、わざと低温で数日寝かせて熟成させて旨味を引き出しているとこともあります。
それに現在は鮮度を維持するため、凍るか凍らないかギリギリの温度で保存する(氷温)船も多いです。
なので現在では、鮮度はそれほど劣化しない、と考えます。
沖塩とは?
沖の場合、数日航海します。
なので鮮度が落ちないように船の中で塩をします。
船の中(沖)で塩をするので「沖塩」と呼ばれています。
船の中で塩をして、数日航海するので、丘よりもしょっぱくなります。
沖塩というと、しょっぱい魚という意味になります。
鮭、マスの丘、沖の違いのまとめ
鮭やマスの丘・沖の違いをまとめますと、
- 丘は鮮度が良い
- 丘は甘塩
- 丘は脂が乗っている
- 沖は鮮度はちょっと落ちる
- 沖はしょっぱい
- 沖は脂の乗りがいまいち
ということですね。
ただ、こう書くと沖が良くない印象になってしまいます。
最近では船の設備がよくて、沖でも鮮度がよく、塩もしないので甘塩で、熟成されているから美味しい、というものもあります。
なので一概にはどちらが美味しいとは言えない部分もあります。
販売している人にその商品の特性をよく聞いて、上手に買っていただければ幸いです。