今年は北海道の秋鮭の水揚げ量がものすごく悪かったですね。

7万トンの水揚げしかなく、「凶漁」と呼ばれた2018年。しかし2019年はそれをさらに下回りました。
4万トンほどの水揚げでしたね。

価格は親の鮭、子のいくらともに昨年より安値です。

昨年高すぎて売れなかったり、チリギンの価格が安値傾向なのがその理由です。

当初の漁獲予想では秋鮭は今年は10万トンを回復する、と言われていました。

これは統計データ(ジブリング法)に基づいた予測です。
https://www.hro.or.jp/list/fisheries/research/hatch/section/shigen/att/R1akisakeyosoku.pdf

これは前年の来遊した鮭の年齢から統計をとったものです。

簡単に言えば昨年4年魚が平年並みだったので、今年は5年魚が平年並みに来遊するだろうというものです。
統計なので、必ずその通りになるわけではないです。

それでも統計を勉強してきた人なら、かなりの確率で来遊が増えることが分かってもらえると思います。

しかし結果は昨年よりさらに少ない来遊。
ただ、5年魚が増えたので、型は大型ですね。

私自身は「今年は来遊自体はあったけど、北海道沿岸の水温が温かく、川に遡上出来なかった」と考えております。

で、それを裏付けるようにロシアでのチャムの水揚げが増えているようです。
ロシアのチャム、というのは秋鮭のことですね。

北海道に遡上出来なかった鮭が冷たい水温のロシアに遡上している、と考えるとつじつまが合うと思いませんか?

でも鮭って生まれた川に帰るのでは・・?という疑問もあります。

私の仮説は「鮭は確かに生まれ故郷に帰りたいけど、条件が合わなければ他の川へ遡上する」というもの。

実際背に腹は代えられないのが鮭の本音ではないかな、と思っています。

事実、マスに関しては生まれた川に帰る習性が薄いそうです。
マスは条件があう川へ上るそうです。

なので、鮭も第一希望の生まれた川ではなく、条件のあう川へ上るのではないでしょうか。

もしかして、鮭は母なる川へ帰る、という前提が崩れるかもしれません。