昨今すり身の需要が高まっています。
アジアやヨーロッパ、北米でもかに風味かまぼこが人気です。
これらの地域でも「SURIMI 」(すりみ)と呼ばれているそうです。
すり身の需要が高まり、価格が上昇
世界的なすり身需要が高まって、価格が上昇しています。
美味しくて、しかも価格が安い。
手軽にたんぱく質を摂取できるので人気です。
このような人気と食料需要の高まりで輸入したくても、日本に入ってこない状況です。
そのため練り物メーカー各社は2018年8月頃よりの値上げを決めました。
特に東南アジアからのすり身の輸入が減っています。
すり身の原料となる魚
すり身の原料となる魚は、主に白身の魚です。
東南アジアからはグチ(イシモチ)などの魚のすり身が輸入されています。
また、北米からはタラ類のすり身が輸入されています。
日本は自分のクビを絞めている?!
日本人は日本の食を広めたくて日本の文化を海外に輸出しました。
しかし結果として、世界での日本食材需要を増やしました。
そのため原料調達で日本は世界と競合するようになりました。
そして円安の昨今は原料の調達で買い負ける、という結果になっています。
あんまり良いことはないですね。
良いことといえば日本人が海外の寿司屋さんや日本食レストランを出店しやすくなる、ということぐらいでしょうか。
ロシアがすり身を増産する!
そんなわけで世界的にすり身の需要が高まっている昨今。
ロシアがすり身の船内加工ができる大型船を建造するそうです。
ロシアといえば、近年は日本のマルハニチロと組んだり、日本水産と組んだりしてすり身を日本へ輸出していました。
しかし船の老朽化や、すり身を重視してこなかったため、すり身の生産は少ないものでした。
そのロシアが、世界的なすり身需要を見込み、大型船を建造するそうです。
2022年頃より稼働とのことです。
すり身増産で値下げ?
これが本格的に稼働すれば何万トンと言うから驚きです。
ほぼ日本の需要の半分を賄えてしまいます。
もちろん日本がすべて輸入できるわけではありません。
しかし世界のすり身の供給が増えるのは間違いなさそうです。
ロシアはスケトウダラなどの資源量が大変多い国です。
アメリカに匹敵するすり身の供給元になるかもしれません。
今まで需要が少なかったスケトウダラが有効活用?!
そしてロシアがすり身生産に動くとなると真ダラやスケソウダラの原料は少なくなるのではないかとも考えています。
ただスケソウダラは卵は「たらこ」としての需要が大変高いのですが、 親のほう、身の方はあんまり需要がなかったです。
日本海側で鱈汁にされるとか せいぜいフライにされる、くらいの需要しかないんですね。
だから、もともと白身魚としての価値が少ないスケソウダラがすり身に回ったとしても、タラ類の価格は上がらないかもしれません。
どちらにしてもロシアがすり身を生産するのは、世界の食料増産の観点から良いことだと思います。