こんにちは!フィッシュコーディネーター(@osakana_neta)です。
ウニ漁は日本国内だけでなく、世界中で行われていますが、地域や環境によってさまざまな漁法が存在します。今回は、ウニの代表的な漁法について、それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。
1. 素潜り漁(フリーダイビング)
特徴
日本の伝統的なウニ漁の方法で、シュノーケルを使い、ウニを見つけたら素潜りして手で採ります。ボンベなどの補助器具は使用せず、獲ったウニをボートへ運ぶ作業を繰り返します。
メリット
- 質の良いウニを選びながら獲れる
- ウニの品質を維持しやすい
- 経験を積んだ漁師は質の高いウニを選別できる
デメリット
- 体力的に過酷(特に冬場の冷たい海では負担が大きい)
- 長時間の作業が難しい
ウニ漁の現場では、獲ったウニを入れる箱に漁師の名前が記されることがあります。これは、ウニの品質が漁師の技術によって左右されるため、信頼できる漁師のウニを指名して買い付ける人がいるためです。
2. 箱メガネ漁(のぞき漁)
特徴
船の上から「箱メガネ」という水中観察用の道具を使って海を覗き、長い竿の先につけた仕掛けでウニを引き上げます。
メリット
- 潜る必要がないため、体力の消耗が少ない
- 比較的安全に漁ができる
デメリット
- 中腰での作業が長時間続くため、体への負担が大きい
- 水中の揺れや視界の悪さによって獲りづらいことがある
船の上で長時間同じ姿勢を続けるため、腰や背中への負担が大きく、体が痛くなることもあるそうです。
3. 籠網漁(かご漁)
特徴
海藻(ホンダワラなど)をエサとしてカゴの中に入れ、海に沈めておきます。しばらくすると、ウニがカゴの中に集まるので、引き上げて漁獲する方法です。
メリット
- 潜らなくてもウニが獲れるため、比較的楽な漁法
- 広範囲に仕掛けを設置できるため、安定した漁獲が可能
デメリット
- 品質の選別ができない(身入りが悪いウニも混ざる)
- 海藻が豊富な地域でないと成立しにくい
見た目や品質を確認せずに獲るため、スカスカのウニが混ざることがあります。ただし、船上で選別すれば問題はないとも言えますね。
4. 潜水漁(スキューバ漁)
特徴
主に海外(特にチリなど)で行われる漁法で、酸素ボンベを装着した潜水士が海底に潜り、ウニを網に集めていきます。ボンベを使わず、地上からホースを通じて空気を送り込む方法もあります。
メリット
- 長時間の作業が可能で、大量に獲れる
- 深い場所のウニも漁獲できる
デメリット
- 減圧が必要で、作業にリスクがある
- 潜水病の危険があり、漁師が敬遠することもある
実際に、2021年にはチリの漁師たちが潜水漁を嫌い、ウニ漁をやめるケースもありました。その背景には、減圧の手間や潜水病のリスクがあるほか、ウニ漁よりも銀鮭の養殖の方が収益性が高いため、補助金をもらって養殖業にシフトする動きがあったことも影響しています。
ウニの漁法まとめ
ウニの漁法まとめ
- 素潜り漁:シュノーケルで潜り、手でウニを獲る
- メリット:良いウニを選別できる、品質が安定
- デメリット:体力的にきつい、長時間作業が困難
- 箱メガネ漁:船の上から箱メガネで海を覗き、竿の仕掛けで獲る
- メリット:潜らずに済むため体力的に楽
- デメリット:中腰の作業が続き、腰や背中に負担がかかる
- 籠網漁:海藻を入れたカゴを沈め、後で引き上げる
- メリット:労力が少なく、大量に漁獲できる
- デメリット:品質の選別ができず、スカスカのウニが混ざる
- 潜水漁:酸素ボンベやホースで空気を供給し、潜水士が獲る
- メリット:大量に獲れる、深場のウニも漁獲可能
- デメリット:減圧が必要で危険が伴う、潜水病のリスクがある
ウニ漁は大変!あなたの知っている漁法は?
ウニ漁は見た目以上に過酷で、それぞれの漁法にメリット・デメリットがあります。伝統的な素潜り漁から、海外で行われる潜水漁まで、地域ごとに工夫された方法があるのも面白いですね。
もし他にも「こんな漁法があるよ!」という情報があれば、ぜひ教えてください!
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