野締めと活け締めの違いとは?

こんにちは!フィッシュコーディネーター( @osakana_neta )です。

魚を美味しく食べるには鮮度が大切です。また、全身に血がまわると、臭みが出たりします。

そこで、”締める”という作業も重要になってきます。

その締め方も色々とあります。

野締め(のじめ)とは?

野締めとは、魚を包丁などを使わずに締(し)める方法です。

網から揚げて氷水に浸けて締めたりします。

網のなかで魚が絶命していても、野締めといったりします。

野締めは割と雑な締め方で、安い魚(サバ・イワシなど)はこのように、手間をかけずに締めます。

魚が絶命してから捌くまで時間がかかるので、その分だけ鮮度が落ちます。

野締めは「船上活け締め」と同じ意味の場合も!

野締めの意味合いは、時代や地方、タイミングによっても変わるようです。

北大路魯山人の著書「料理王国」文庫本の42ページに「野締めは沖で絞めたもの」、というような表現が出てきます。

以下、抜粋します。
「 特に野じめと言って沖でひとおもいに殺し上手く保存してきた上等の鯛の方が(省略)(食べる直前に締めた)生鯛より旨い場合が多い」
(北大路魯山人「料理王国」より抜粋)

この本は昭和35年以前に書かれたものなのですが、このころは「野じめ」というと、今の「船上活け締め」のような言葉だったようです。

時代が変わり、言葉の意味合いも少し変わってきたのですね。

魚の活け締め(いけじめ)とは?

活け絞めという処理方法があります。かつじめ、いきじめと呼ぶ人もいます。

魚を生きたまま、包丁等を入れ、締めます。これが活け締めです。

これによって鮮度を保てます。また、魚が絶命するまでに時間がかからないので、身に栄養が残った状態を保てます。また、血抜きも行われます。

この作業は時間との勝負です。

遅いと、まだ生きている魚がどんどんエネルギーを消費してしまいます。

なので早く締めるほど鮮度が維持されます。

船上活け締め

船の上で獲れたての魚を締める方法です。当然魚を生きた状態(活)で締めます。

船の上で獲れたてを締めるので、とても良い鮮度を保てます。

陸上でも活け締め?

漁業者によっては”まな板の上まで生きている状態”を活け締め、といしているところもあります。

陸上でもまな板の上まで生きていれば活け締めということになります。

活け締めに正確な定義は無いんですね。

魚によっても締め方が違いますしね。

神経締め

最近では魚の価格を上げるために自治体が神経締めを推奨しているところもあります。

専用のワイヤーを魚の神経に通して、神経を絶ちます。

なぜ神経を締めるかというと、

  • ATPというエネルギー物質の消費を押さえる
  • 死後硬直を押さえ、鮮度を保つ

という理由からです。

美味しく食べたり、魚の鮮度を保ったりするために行うのですね。

神経締めに関しては、以下のページをご参照ください。

神経締めとは?どんな効果がある?

なぜ魚を締めるのか

魚は死ぬと血の臭いが身に染み付いたりします。

あるいは水揚げ後に暴れたりしてエネルギーを消耗して、味が落ちることがあります。

また内蔵の臭いが身に移ったりします。
それらを避けるために血抜き、内蔵除去などの作業が必要になります。

この作業を絞める(しめる)と言います。そんな締める作業にも色々あります。