食品表示法が2015年に施行されました。

もともと食品の表示は

  • 食品衛生法
  • JAS法
  • 健康増進法

など多岐にわたり、分かりづらいものがありました。

上記のうち、表示に関する部分が食品表示法として統一されました。

2020年4月1日までに完了していなければなりません。

今までの表示のルールから、色々と変わります。

そんなちょっと分かりずらいけど、やらなくてはいけない食品表示法について解説しますね。

食品表示法のポイント!2020年4月までに!

そんな食品表示法ですが、大きく分けると以下の7つです。

  1. 原材料名の表示方法
  2. アレルゲンの表示方法
  3. 生鮮食品と加工食品の区分
  4. 栄養成分表示の義務化
  5. 製造所固有記号の使用制限
  6. 一般用と業務用の区分
  7. 機能性表示食品制度

となります。

分かるような、分からないようなかんじですね。

以下、それぞれの項目について、細かく見ていきます。

 

食品表示法のポイント① 原材料名の表示方法

加工食品は食材と添加物で構成されています。

もちろん添加物の入っていない加工食品もありますけどね。

添加物が入っている加工食品の場合、食材と添加物を分けて表示する必要がある、ということです。

添加物とは?

添加物というのは、食品ではありません。

食品の保存を高めたり、見た目をよくするお化粧みたいなものですね。

食材と添加物を明確に区別する

今回施行された食品表示法では、食材と添加物の間をスラッシュ(/)で仕切ったり、改行をする必要があります。

これはわかりやすいですよね。

これは今までのラベラーなどで簡単に対応が出来ると思います。

なので早めにやりましょう!

一般加工食品の原産地表示は?

一般加工食品の原産地表示は、平成29年9月1日に食品表示基準が改正・施行されました。

今回の食品表示法とは少し違います。

こちらは2022年3月31日までに対応する必要があります。

簡単に触れると、

  • 原材料が生鮮食品の場合→原材料の原産地を表示する
  • 原材料が加工食品の場合→加工食品の製造地を表示する

ということですね。

これは先に述べたように2022年4月から義務化、ということになります。

こちらもセットで考えていたほうがよさそうですね。

参考ページ・東京都福祉保健局:http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/hyouji/shokuhyouhou_kakou_ingredients_origin_new.html

食品表示法のポイント② アレルゲンの表示方法

アレルゲンは最近、とても重要な表示です。

これも今までと少しルールが変わるので、注意が必要です。

以下に箇条書きにしますね。

  1. アレルゲンは「・」でつなげる→小麦・乳・そば など
  2. 「原料の一部に〇〇を含む」という表現を「一部に〇〇を含む」という表現に改める
  3. 今までは原料にアレルゲンを使っているのが明らかなものは表示しなくても良かったが、これも「小麦」「乳」などとアレルゲン名を表記する

3番目は、今までパンやチーズは、「小麦」「乳」のアレルゲン表示はなかったのですが、これもちゃんと表示することになりました。

ここが大きく変わったところで、注意ポイントですね。

食品表示法のポイント③ 生鮮食品と加工食品の区分

これは原則JAS法にしたがうとのことです。

生鮮食品に原産地義務が課される、という大前提は変わりません。

でも細かい部分が変更になっています。

たとえば、刺身の盛り合わせも生鮮食品の部類になりました。

刺身の盛り合わせは従来「加工食品扱い」だったのですが、今度の改正により、「生鮮食品扱い」となります。

つまり、盛り合わせになっている刺身の材料一つ一つに産地の表示が必要になる、ということです。

 

食品表示法のポイント④ 栄養成分表示の義務化

この栄養成分表示が厄介なんです。

栄養成分表示は最低でも基本5項目を表示する

栄養成分表示は最低でも基本5項目と呼ばれる項目を表示する必要があります。

その5項目とは

  1. 熱 量 〇kcal
  2. たんぱく質 〇g
  3. 脂 質 〇g
  4. 炭水化物 〇g
  5. 食塩相当量 〇g

です。

順番も上記の順番で表示する必要があります。

ナトリウムは食塩相当量に計算して表示する【計算式】

ナトリウムは食塩相当量に計算し直して表示する必要があります。

以下、東京都福祉保健局からの引用です。

【ナトリウムから食塩相当量への換算式】
食塩相当量(g)=ナトリウム(mg)×2.54÷1000

※東京都福祉保健局のページより引用 http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/hyouji/shokuhyouhou_eiyou_houhou.html

もし分析結果や参考資料に「ナトリウム」と書かれていたら、上記の計算式から食塩相当量をもとめて表示しましょう。

栄養成分表示は分析するか、日本食品標準成分表から推定する

サンプルを検査機関で分析して、その100gあたりの栄養成分を計算して表示します。

その場合、「サンプル品分析による推定値」と表示する必要があります。

でもサンプル検査が困難な場合日本食品標準成分表2015年版(七訂)などから推定することもできます。

日本食品標準成分表/文部科学省
画像をクリックするとAmazonのページへ飛びます。

上記文部科学省から出版されている食品標準成分表は一冊あると大変役に立ちます。

上記から推定した場合、「日本食品標準成分表2015年版(七訂)の計算による推定値」と表示する必要があります。

表示値の許容差の範囲と計算式

表示をする際、誤差が認められています。それを許容差といいます。

どういうことか、といいますと、

原材料の個体差や日数を経たことによる栄養成分に変化があってもいいよ、ということです。

サンプルはすごく脂がのっていたけど、だんだん脂ののりが悪くなってくることもありますよね。

あるいは日数が経つことによって栄養成分が抜けることがあるかもしれません。

その場合、表示した栄養成分量と多少違っていてもいい、ということです。

ただし許容差は多少の範囲内、基準値内である必要があります。

主要な栄養成分の許容差の範囲は表示値±20%です。

 

以下、東京都福祉保健局のページより引用です。 http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/hyouji/shokuhyouhou_eiyou_houhou.html

 含有量を一定の値で表示する場合は、当該食品の賞味(消費)期限内において「測定及び算出方法(別表第9第3欄)」による分析値が、表示値を基準とした「許容差の範囲(同表第4欄)」内である必要があります。
(許容差の算出方法)許容差(%)=分析値÷表示値×100-100

許容差計算例

<OKパターン>

例えばある食品を、抜き打ちで分析したら、分析値が50だったとします。

パッケージに表示されている表示値が55だとしますね。

50÷55×100-100=-9となります。

この場合だと±20%の範囲内なのでOKですね。

<NGパターン>

抜き打ちの分析値を38とします。

パッケージの表示値が55だとします。

38÷55×100-100=-30となります。

±20%の範囲を超えますので、これはダメですね。

 

というように、「原料が変わるから仕方ないけど、抜き打ちで検査した時にちゃんと20%の範囲に収めてね」ということです。

食品表示法のポイント⑤ 製造所固有記号の使用制限

製造固有記号をご存知でしょうか。

これは販売者と製造者が違う場合に使われてきました。

販売者:㈱日本商店 RS

などの「RS」の部分ですね。

この部分を固有記号といいます。

この「RS」は例えば「令和食品工業(株)」を省略した記号だったりします。

それぞれの会社に固有の記号、ということですね。

今までは「販売者:㈱日本商店 RS」などの記載がされていました。

しかしこの固有記号が今回の食品表示法により、「2か所以上で製造する場合のみ使用可能」ということになりました。

製造場所が2か所の場合
  • 販売者:㈱日本商店 RS(ここでは令和食品工業(株)のこと)
  • 販売者:㈱日本商店 HS(ここでは(株)平成食品のこと)

とこのように製造している場所によってRSになったりHSになったりします。

この場合は今後も固有記号を使用できます。

ただし、上記固有記号を使用する場合は以下のどれかを記載する必要があります。

  • 製造固有記号の製造所については下記までお問合せください。電話03-○○○○-○○○○
  • 製造固有記号の製造所については下記のホームページをご覧ください。https://〇○○
  • 製造固有記号の各製造所は下記の通りです。RS:令和食品工業(株) HS:(株)平成食品

こうしてみると、製造所が2か所程度なら、全部書いたほうが早い気がします。

 

一か所で製造する場合の固有記号は不可

販売者と製造者が違う場合、委託先1か所製造の時は製造者の名前を表示する必要があります。

製造場所が1か所の場合

販売者:㈱日本商店

製造者:令和食品工業(株)

と製造者名を表示する必要があります。

 

食品表示法のポイント⑥ 一般販売と業務用を分ける

今までは業務用の商品でも、一般販売できるように一括表示がしてある商品がありました。

一括表示がしてあれば、業務用でもキャッシュ&キャリー(業者向け)用にお店で販売することが出来ました。

しかし今回の食品表示法により、少しでも一般販売される可能性のあるものは一般(市販用)扱いになります。

市販用となると、今まで見てきたような市販用の表示が求められます。

つまり

  • アレルゲン表示
  • 固有記号
  • 栄養成分表示

などを一般販売(市販用)の基準で表示する、ということですね。

食品表示法のポイント⑦ 機能性表示食品制度

今までも特定保健用食品(トクホ)や栄養機能食品はありました。

それらは基本的に今後も継続するようです。

それとは別に食品の機能をアピールすることが出来るようになった、ということですね。

以下消費者庁のページからの引用です。https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/about_foods_with_function_claims/pdf/150810_2.pdf

●国の定めるルールに基づき、事業者が食品の安全性と機能性に関する科学的根拠などの必要な事項を、

販売前に消費者庁長官に届け出れば、機能性を表示することができます。

●生鮮食品を含め、すべての食品※が対象となります。

トクホは国が安全性と機能性の審査をしていました。

今回の機能性表示食品は製造者や販売者が安全性と機能性の情報を届け出ることで、機能をアピールできるというものです。

いろいろな手続きはありますが、機能性食品を販売しやすくなったと言えますね。

その他:可動性表示

産地切り替えのたびに包装の変更が生じる時、可動性表示といってAまたはBと最初から表示することが認められています。

例えばブリの照り漬けという商品があったとします。

ブリの原産地が製造したタイミングによっては宮城県になったり、岩手県になったりするとします。

その場合は産地は「宮城県又は岩手県」と最初から表示することが出来ます。

こうすると産地が変わるたびに表示を変更しなくてよくなります。

 

食品表示法のまとめ

長々と2020年4月から義務化される食品表示法について、見てきました。

まとめますと、

  1. 原材料名の表示方法→原材料と添加物を分けて表示する(加工食品の原産地表示は2022年4月から)
  2. アレルゲンの表示方法→しょうゆやパンなども「大豆」「小麦」などと表示する必要がある
  3. 生鮮食品と加工食品の区分→原則従来のJAS法に従う。ただし異種混合(カットフルーツ盛り合わせや刺身の盛り合わせなど)は加工食品から生鮮食品扱いに
  4. 栄養成分表示の義務化→一般加工食品は栄養成分表示が義務化
  5. 製造所固有記号の使用制限→製造固有記号は原則として2か所以上で製造する場合で使用可能
  6. 一般用と業務用の区分→少しでも一般(市販)販売される可能性のあるものは一般用の基準が適用される
  7. 機能性表示食品制度→企業の責任で機能性表示できる

ということでした。

私自身、完全に理解しているわけではないので、もし間違いなどがあれば指摘してくださいね。

また、正確な食品表示法の情報は各省庁へお問い合わせください。

消費者庁のページ:https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/

東京都福祉保健局のページ:http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/shokuhin/hyouji/index.html

 

食品表示法 販売者、製造者への影響

今回の改正、消費者にとっては分かりやすくなったと思います。

例えば今まではパンは小麦から出来ているし、醤油は大豆から出来ているのだから、わざわざ小麦、大豆と書かなくてもよかったです。

しかし2020年4月からはきちっと小麦や大豆と書く必要があります。

アレルギーをもつ方からしたら、ぱっと見でわかりやすくなりました。

固有記号に関しては、製造所を伏せて販売することで、ブランドの力を使うことが出来ました。

それが実は零細な企業で製造している、となったときに消費者の方はどのように感じるのでしょうか。

その分、食品にかかわる業者には細かく表示を求められます。

食品の販売者、製造者にとっては大変な仕事が増えた、とも言えます。