
日本海側でよく食べられているニギスという魚をご存知ですか?
底引き網などで漁獲される魚です。
ニギスというのが正式名称です。

新潟の上越地方や富山などでは普通のキス(シロギス)よりも一般的です。
一方、キス(鱚)という魚は有名です。
一般的に「キス」といえば、シロギスのことを差します。
また、日本近海、あるいは世界中にキスの仲間が生息しています。
日本ではキスは夏になると産卵のため、海岸に近づきます。
そのため海岸からの投げ釣りでも漁獲されます。
また通常は底引き網で漁獲されます。
そんなニギスとキスですが食べ方や見た目が良く似ています。
煮付けたり、フライにしたり、天ぷらにしたり。
でもこれらはかなり違う魚なのです。
ニギスとキスの違いは?
それではニギスは、キスとどのように違うのでしょうか?
もともとニギスは、キスににているから似鱚(ニギス)になった、といわれています。
ということはキスの仲間なのでしょうか。
しかし生物学的には違う魚です。
- シロギス(キス)= スズキ系 スズキ目 スズキ亜目 キス科 キス属
- ニギス(メギス)= ニギス目 ニギス亜目 ニギス科 ニギス属
こうしてみると、「目(もく)」からして違いますね。
これがどのくらい違うのでしょうか。
変な例えですが、人とオランウータンを比べてみますね。
- ヒト=サル目ヒト科ヒト属
- オランウータン=サル目ヒト科オランウータン属
こんな感じです。
ヒトとオランウータン以上に離れていますね。
また、メギスは背中の後方に脂ビレがあります。
そのため石川県漁連さんの資料では「大きく分けると鮭の仲間」と書かれています。
非常に似ている魚ですが、もはや全然別の種類の魚、といっていいかもしれませんね。
ニギスの旬の時期は?
メギスは基本的には一年中獲れます。
ただし、7月から8月にかけては底引き網が禁漁となります。
なのでその時期はニギスはほとんど出回りません。
干物や冷凍物はありますけどね。
秋になるとまた底引き網の生メギスが出回ります。
9月は漁師さんは他に獲る魚もないのでこのニギス(以下メギス)を狙います。
だから、9月の市場はメギスでいっぱいです。
ぜひその時期に味わってみてくださいね。
キスの産地は?
一方、キスは本州、四国、九州、中国沿岸、台湾など、広い範囲に生息しています。
ニギスの産地は?
ニギスの主な水揚げ県としては
- 石川県
- 新潟県
- 富山県
などがあります。
他の国からの輸入等を聞かないので、日本など、比較的狭い範囲に生息していると思われます。
また深い海に生息しています。
なので、生息するのは深い場所に限られます。
ニギスの地方名呼び方色々
ニギスの地方名について少しふれます。
- トンコロ(山陰)
- メギス(新潟、静岡)
- ミギス(富山)
など、各地で色々な呼び方があるのですね。