「のっぺ」ってご存知ですか?
新潟で食べられている「のっぺい汁」の事です。
ただ、縦に長い新潟の「のっぺ」は独特です。
「ととまめ(イクラ)」が乗る?新潟ののっぺとは?
新潟では秋冬やお客さんの集まる年の暮れなどに“のっぺ”と呼ばれる煮物のような汁物のような料理を作ります。
全国的にものっぺい汁はあるのですが、新潟の「のっぺ」は独特です。
「ととまめ(とと豆)」と呼ばれる、イクラ(鮭の卵)が入っていたりします。
※入らない家庭や地域もあるそうです。
また、意外かもしれませんが、かまぼこが入っています。
上記の画像の左上の、いちょう切りになっているのが蒲鉾です。
新潟では蒲鉾を煮込むのですね。
だから年末には大きな板付きが販売されます。
新潟ののっぺはとろみが強い?
のっぺは普通、里芋のデンプンで汁にとろみがつきます。
しかし同じ新潟でも、上越地方は片栗粉でトロミを足したりします。
また、のっぺい汁と違い、具材を胡麻油で炒めません。
どちらかといえば煮物に近いかもしれません。
ここでは全国的なのっぺい汁と区別して、「のっぺ」としています。
新潟の「のっぺ」は蒲鉾が入る
新潟ののっぺには、蒲鉾が入ります。
リテーナ成形したカマボコは茹でてもプリプリ!美味しいですよ!
煮込み過ぎるとカマボコの食感がなくなりますけどね!
ととまめ(とと豆)とは
ちなみに「ととまめ」とは「とと(魚)」の「まめ(卵。豆のようだから?)」の意味です。
「とと」というのは日本海側で魚の意味で使われています(私は使ったことがないですが)。
「のっぺ」は地区によって多少違う
新潟県は広く、地区によって多少の違いはあります。
大まかには里芋や大根、人参などを出汁で煮て、最後に片栗粉などでトロミをつける料理です。
この、トロミが付いているのが新潟の寒い冬にはもってこいです。
冷めにくいので体が温まります。
上越地方の「のっぺ」の特徴
新潟県の南西部に位置するのが上越地方です。
南西部なのに北の新潟市より寒気がきついです。
温まるようにか、上越地方ののっぺはトロミが強めです。
片栗粉でトロミを付けます。
汁気が少なく、煮物感が強いです。
下越地方の「のっぺ」の特徴
下越地方(新潟市がある)は一般にトロミがゆるめです。これは一緒に煮ている里芋のトロミです。
この下越地方バージョンのトロミゆるめのっぺい汁、私も大好きです。
冒頭で紹介した「ととまめ」と呼ばれるいくらが入っているのはこの下越地方ののっぺです。
しかも下越地方では、鮭のイクラが成熟し過ぎて、通称「ピンポン玉」と呼ばれるまで固くなったものを使います。
文字通り、熟成しすぎて皮が固く、落とすとピンポン玉のように跳ねます。これを食べるのは新潟県人だけですかね?
一説には暗い色になりがちののっぺいに赤みを出すため、といわれています。
また、元々鮭を食べる文化があるので、多少固くなったイクラも無駄なく食べるのだと思います。
下越地方ではのっぺい汁に入れるいくらは「ととまめ」と呼ばれ、親しまれています。
「ととまめ」は鮭が川に上る直前の、卵としては成熟したものを使います。
そうしないと温かいのっぺい汁に入れた時に崩れちゃうのです。
他の地方では「ピンポン玉」と呼ばれ敬遠される成熟した鮭のイクラですが、新潟市では「ととまめ」となるんです。
夏でものっぺを食べる!
新潟では冬でなくても晴れの日ではのっぺを食べる習慣があるそうです。
お盆やお彼岸などのハレの日に食べるそうです。
夏は特に冷したのっぺを食べるとのこと。
大量に作っておいて、何日かかけて食べるそうです。
また、さやえんどうなど夏の野菜を入れます。
白だしを使ったのっぺがとても美味しいそうです。
私は食べたことがありませんが。
それと新潟市ではいくらが入らない家庭もあるということです。
寒さのせいでトロミが違う?
上越地方ののっぺがトロミが強いのは寒さの寒さのせい、と言われています。
上越地方のほうが南に位置するのですが、下越地方の新潟市のほうが温かいのです。
対馬海流の影響、佐渡ヶ島で風が遮られる、広い新潟平野なので冷たい風が抜けて、とどまらないなど、色々な理由があります。
いろいろ言われていますが、気温を比べる限り、北にある新潟市のほうが温かいんですね。