2024年1月1日、能登半島とその周辺で地震が発生しました。
当日は津波などもあり、大きな被害を受けました。
これを書いている1月16日現在の、水産業への影響を書いておきたいと思います。
漁船などが流される
能登半島の輪島などでは船が流される、ということが起きました。
流された船は新潟県などに漂着しています。
珠洲市から糸魚川に漂着した漁船 持ち主判明し引き上げ作業
(上越妙高タウン情報)
未だ持ち主がわからないものもあるそうです。
まだ避難所にいる方もいらっしゃいますし、すべての船が持ち主に帰るまでは相当時間がかかると思われます。
船が転覆
能登半島地震の被害、71漁港・漁船169隻以上 隆起の影響も(朝日新聞)
津波により、船が転覆しました。
転覆して近くにあればよいのですが、沈没したものもあるようです。
こうなればどこまで保険でまかなえるかわかりません。
とてもすぐには回復出来ないでしょう。
最低でも1年はかかると思われます。
漁港が隆起して接岸出来ない
また無事だった船も漁港が隆起して接岸出来ません。
どこか無事な漁港に入港出来ればいいのですが。
これも元の漁港を再建するには年単位の時間がかかると思われます。
地震で影響のある魚種
能登地震で影響のある魚種は何でしょうか。
- イカ(小木港)
- ブリ
- その他アジ、サバ、サワラなど
というものです。
特にスルメイカの水揚げが国内で3本の指に入る小木港があります。
能登沖は暖かい対馬海流と、冷たいリマン海流がぶつかるところです。
そのため魚がたくさん集まる場所です。
そんな能登半島ですので、地震の影響で水揚げが減るのは避けられません。
網が損傷、流出
また、津波によって網が流される、という被害も発生しています。
もともとかなり大規模に定置網を行っていた場所です。
その定置網が津波で流されました。
海底から網を回収出来れば良いでしょう。
網はかなり高額なため、新たに購入するとなると数百万から数千万円かかるそうです。
冷蔵庫が機能不全
また、冷蔵庫が機能不全になっている場所もあるそうです。
地場大手の水産業者が被害を受け、営業出来ないそうです。
それに伴い物流も止まっています。
魚醤(魚汁・いしり・いしる)が津波をかぶる
能登といえば、豊富な魚介類の内蔵を塩で漬け込んで作る魚醤が有名です。
いしり・いしる・よしるなどと呼ばれています。
そんな魚醤が被害を受けました。
魚醤の熟成タンクは海岸沿いの野外に置かれていることが多いです。
これが津波で倒れたり、泥を被ったりしたようです。
私が取引していた業者は1年間営業停止にする、と言っていました。
また、別の業者はまだ工場に立ち入れないそうです。ただ、遠目に見る限りは被害を受けていないのではないか?とのことでした。
七尾市のスギヨが操業停止
能登半島の大手加工業者といえばスギヨです。
ちくわやカニカマの製造で有名ですね。
こちらが地震以降操業停止しています。
被害としては
- 天井の崩落
- 水が出ない
- 従業員が出勤出来ない
というものです。
地震後は工場が避難場所としても使われていたそうです。
ただし事務所は稼働出来ているそうです。
また、1月16日より復旧作業を開始したそうです。
1月23日からは関東工場で製造した「加賀揚げ」や、倉庫に在庫のある冷凍品が出荷されるそうです。
いずれにしても早く復旧していただきたいものです。
ビタミンちくわは春以降?
長野県民にとって、スギヨといえばビタミンちくわです。
そのビタミンちくわは本社工場にて製造していました。
工場に業者さんが入って状況を見るのが1月22日くらいから、とのことです。
天井は落ちているし、機械が倒れてしまい、使えない可能性があるとのことです。
そうなるとビタミンちくわの復活は春以降になるのではないでしょうか。
3月末追記:ビタミンちくわの復活は6月になるそうです。
やはり簡単ではないようですね。
こんなとき、メーカーさんの大切さを感じます。
というわけでまた何か情報がわかりましたらアップしたいと思います。