時鮭と秋鮭の違いってご存知ですか?
どちらも同じ種類の鮭(シロサケ)です。
スーパーで販売されている時もそれぞれ”時鮭”、”秋鮭(新巻鮭など)”という名前で販売されています。
春に獲れる鮭は時鮭と呼ばれます。
通常秋に獲れる鮭が、時期外れの春に獲れます。
なので「時知らず」となり、そこから時鮭と呼ばれています。
ではそれぞれの違いについて、もう少し詳しくみていきましょう。
時鮭とは?春に獲れるので時を知らない鮭
鮭が春に獲れるので、時を知らないので「時しらず」、というわけです。
そこから時鮭と呼ばれるようになりました。
通常鮭といえば秋のイメージですよね。
その鮭は春から初夏にかけてエサを求めて陸に近づくことがあります。
この陸に近づいた時に漁獲されるんですね。
ゴールデンウィーク前後から6月一杯まで水揚げされます。
まだ3歳ほどの若い鮭が中心です。
秋の生殖に向けて、栄養を蓄えている時期です。
そのため脂がのって美味しいです。
ロシアのアムール川水系の鮭と言われています。
最近の研究では北海道に帰る鮭も混ざる、という情報もあります。
秋鮭とは?
秋鮭というのは秋に産卵、繁殖のために川に上ってくる鮭です。
これは秋に川に上ってくるため、秋鮭と呼ばれています。
秋に獲れるシロサケのことを秋鮭、と覚えてもらえたらいいです。
塩漬けにされて、いわゆる「新巻鮭」という名前で販売されている鮭です。
ちなみに新巻鮭というのはシロサケを塩漬けにしたものです。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
こちらは北海道では9月から10月一杯まで、本州では12月初旬ごろまで水揚げされます。
時鮭、秋鮭は同じどちらもシロサケ!
この時鮭と秋鮭、どちらも生物学的にはシロサケという種類です。同じ魚なんですね。
人間が、獲れる時期で名前を分けているのですね。
ハマチ→ブリのように大きさで名前が変わる魚がいますね。
似たようなもので、鮭は獲れる時期によって呼び名が変わります。
時鮭と秋鮭の違いの基準について
それではこの時鮭、いったいいつから時鮭で、いつから秋鮭なのでしょうか?
以前の時鮭の基準
以前は大人になっていない(生殖器が発達していない)、脂ののったシロサケのことを時鮭と言っていました。
販売時の名称は、この基準で大丈夫でした。
ある種あいまいな基準で大丈夫だったのです。
現在の時鮭の基準
しかし、2013年にロシア海域での流し網漁が禁止になりました。
そこから時鮭の基準がややこしくなります。
以前はロシア海域で定置網にて漁獲された、未成熟の脂のある鮭は時鮭、と呼んでいました。
これが、本当の意味での時鮭ではない、との話が持ち上がりました。
今まではどちらも時鮭だったのに、北海道産との差別化を狙ったのでしょうか?
それとも一部の消費者がクレームを付けたのでしょうか?
現在はロシアで定置網漁で漁獲された若い鮭は、シロサケとか、ロシアチャム、などと呼ばれています。
北海道では6月中に漁獲された鮭を時鮭と呼んでいます。
7月に入って獲れた鮭は秋鮭になるんですね。
これは北海道の販売業者の自主基準とのことです。
また、歯が生え揃っているか、いないかで判断する場合もあります。
それについては以下の記事を参照してください。
美味しいときしらずの見分け方とは?
https://fish-neta.com/70841694-2/
※一部ロシアで漁獲されていても、春の時期に水揚げされたものは「時鮭」と呼ばれ、販売されています。そのロシア産時鮭の基準に関しては次の章で解説します。
ロシア産の時鮭の基準
以前、ロシアで流し網漁で漁獲されていた鮭は“時鮭”と呼ばれていました。
現在はロシア海域での流し網漁が原則禁止なので、ロシア産の時鮭は、存在しないということになります。
しかし、ロシアでも、先住民の枠というものがあります。
先住民の方々は流し網漁をしてもよいそうです。
これを沿岸枠といって、4隻くらいの船にのみ、特別に許可されています。
そこで漁獲された、鮭は時鮭として日本に輸入されます。
ロシア産の時鮭として販売されていたら、沿岸枠で漁獲されたものです。
海は一つで、魚に国境はありません。
ぜひ美味しいロシア産の時鮭を味わってみてください。