トレードオフという概念

スーパー、量販店へ商品をプレゼンする場合、目の前のバイヤーを口説けばそれで終わりではありません。
その商品を消費者が購入しなければ、リピート注文がもらえません。

目の前のバイヤーを口説くのは割りと簡単です。
美辞麗句を並べて落とせば良いのです。

でもその商品を買う、末端のお客様は違います。
自分の財布と、その商品を買って得られる満足感を天秤に掛けて判断します。

お客さんは常に使ったお金で最大の満足を得ようとしています。

お客さんの好みもありますが、同じ価格なら、量と味を追求します。

なので美味しいものを安く販売する必要があるのですね。

それとその商品の魅力をわかりやすく伝えることです。

経済学で考える販売

経済学では、なぜその人がその商品を選んだか、という時に、人の好みは考えません。

代わりに費用に注目するんですね。

あるいはトレードオフと言って、それを買う代わりに何を諦めたか?という言い方もできます。

なぜ最近魚は売れなくて肉がよく売れるのか。これを費用のことに考えてみるとわかることがあります。

魚が肉よりも高いから売れないのですね。

また人は素材そのものの肉や魚より惣菜を買います。

なぜ割高の惣菜を買って、素材である魚や肉を買わないのでしょうか。

経済学のトレードオフとは?

なぜ素材を買わないのか、と言うと、自分の時間とお金をトレードオフにしているんですね。

お金と自分の時間を天秤にかけた時に自分の時間に重きをおくから惣菜を買って時間を節約するわけです。

最近ではお金よりも時間が大事という考えが少しずつ広まってきています。

そう考えると惣菜の売上はもっと増えるのではないでしょうか。

そして魚の切り身や肉は売れなくなってきます。

その魚や肉に意味を持たせたら別です。

たとえばバーベキューだとか自分で作る楽しみを与えるような何かです。

そうすれば 魚や肉もまだ売れるとは思います。

でも基本、プロに料理を任せたほうが、時間を節約できて、美味い、という方向性になっていくと思います。

テーマは時間の使い方ということです。

意味のある時間の使い方をする

時間の使い方は楽しければいくらでも使うし楽しくなければ節約するということです。

魚や肉の素材を買って楽しいといえばバーベキューとかパーティーが挙げられますね。

料理好きな人は素材を買って自分で楽しみながら料理するでしょう。

しかしそういうふうな楽しみがない人は惣菜ものを買って終わりとなります。
この傾向はますます強くなるような気がします。

ただしもう一つの費用という考えていくと惣菜は費用がかかります。

もしこれから日本が貧乏になっていくのだとしたらみんな惣菜は買わなくなりますね。

日本も二極化する?

アメリカのように二極化していく未来もあり得ます。

高級スーパーでは惣菜や刺身などが充実してきます。

一方、ディスカウントストアでは素材中心に大量販売するという流れになっていくような気がします。

この費用とトレードオフ という概念を頭に入れておくと結構楽しいですよ