2021年シーズン、日本の秋サケが不漁でした。近年秋サケが獲れなくなっていますね。その理由の一つとして、道立総合研究機構さけます・内水面水産試験場が「ロシアの先取りが原因との見方がある」と言及しました。

「国後、択捉島周辺にサケが滞留し、来遊に偏りが生じたのではないか」とし「北方領土水域で、北海道に回帰するサケが先獲りされている可能性が十分にある」と述べた。

北海道新聞「秋サケ不漁 国後・択捉でロシア側「先獲り」か」より記事引用

このニュースがヤフーニュースに取り上げられると、いろいろなコメントが出ました。

そこで今日はこの「ロシア先獲り」問題について、解説してみたいと思います。

不漁の一番の原因は温暖化!それにロシアが拍車をかけている!

この記事をよく記事を見てみると、「温暖化がサケの生活環境が悪化」しているのが原因としています。

高温の水域を避け、国後島に近付いたサケをロシアが先獲りしているので、減った、と言っています。

つまり

  1. 温暖化がサケ減少の原因
  2. 少ないサケをさらにロシアが先獲りしている

ということなのです。

サケの先獲りは悪いこと?

北方四島は日本の領土、これには私も賛成です。それは少しおいておきます。

そもそも先獲りは悪いことでしょうか?私は先獲りは仕方ないことだと考えています。

その国の領土に近付いた魚の所有権なんて、どうやって証明するのでしょうか。

また、「あれはうちの国で生まれたサケだからうちの国のものだ」と言っているのは屁理屈っぽいです。おとなげないですよね。

先獲りするなら金を払え、と言う国がある

ただ、この「屁理屈」を主張し、日本から「協力金」を得ている国があります。

そう、ロシアです。

ロシアは「カラフトマスはロシア生まれだから、日本は先獲りするなら金を払え」と言っています。(言い方はもっとマイルドなはずですが)

この主張は「母川主義(ぼせんしゅぎ)」といわれています。

関連記事:サケマスに関する母川主義とは

それで実際に毎年日本から「協力金」を引き出しています。ちなみにロシア側からすると「協力金」ではなく、正当な「カラフトマス代金」なのです。

秋サケ先獲りは「お返し」

こう考えると道立総合研究機構さけます・内水面水産試験場はロシアにカラフトマスでやられているので、お返しに「秋サケの先獲り」を言っているのかもしれません。

ロシアは環境を顧みず乱獲をする国か?

ロシアは乱獲をする、環境を顧みない国でしょうか。

ロシアはアジアとヨーロッパにまたがる国です。モスクワはヨーロッパに近いので、資源保護にも割と目が向いています。

その一例が流し網禁漁です。ヨーロッパでは「死のカーテン」と呼ばれています。

流し網漁は回遊する魚を根こそぎ絡めとって漁獲します。また、引っ掛かっている魚目掛けて鳥がダイブすると網から脱出出来ず死にます。その為環境に付加がかかるのです。

ロシアが流し網漁を禁止にしたことは、資源保護に積極的な姿勢と言えます。

ただしそれは沿岸でのサケの漁獲を増やしたいサハリン州と、サハリン州の支持を取り付け、大統領選挙に利用したプーチンさんの思惑があった、ともいわれています。

関連記事:ロシア海域での流し網禁止について解説!

稚魚放流を増やせば秋サケが増える?

また、コメントで「稚魚放流をたくさん増やせばいい」ということがありました。

これについては、「稚魚を増やしても秋サケは増えない」というのが答えです。

なぜかというと、環境収容力が足りないからです。

要するにこれ以上放流してもエサが不足して育たない、ということですね。

結局秋サケが不漁なのはロシアのせいか?

それでは秋サケが不漁なのはロシアのせいでしょうか?

「一部ロシアのせいだけど、大きな理由は他にある」というのが私の解釈です。

この記事をまとめると

  1. 秋サケが獲れない大きな理由は温暖化!
  2. ロシアが先獲りするのも多少影響がある
  3. カラフトマスでお金を取られているお返しで言っている

ということでした。

この新聞記事のタイトルは「秋サケ不漁 国後・択捉でロシア側「先獲り」か」です。

内容の刺激的な一部を切り取ってタイトルをつけるのは新聞の常套手段です。少し部数稼ぎの煽動的な感じがします。でも漁業者の辛さがこいうタイトルにさせたのかもしれませんね。

ご参考になさってくださいね!