身欠きにしん(みがきにしん)とはニシン半身の干物のこと。その名前の由来は?

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身欠きにしんってご存知ですか?よく年末に昆布巻きにしたりします。

また、関西ですと「ニシンそば」が有名ですね。

美味しいのですが、いまいち知名度が低い気がします。調理に手間がかかるのが敬遠されるのかもしれません。

でも美味しいから、昆布巻きやニシンそばだけではもったいない!

そんな身欠きにしんについて解説します。

身欠きにしんとはニシン半身の干物のこと

身欠にしん(みがきにしん)はニシン半身の干物です。固くなるまで干し、保存性を高めています。

こうすることで脂と旨みが凝縮され、美味しくなります。また、小骨も気にならなくなります。そんな身欠きにしんはDHAやビタミンB12が豊富な食品です。

カチカチに干すと常温でも保存出来るため、昔は貴重な保存食でした。北海道で作られた身欠きにしんは北前船によって日本各地に運ばれました。

現在では乾燥の程度によって

  • 本乾(ほんかん)
  • 8分乾(はちぶかん)
  • ソフト、5分乾(ごぶかん)

と呼ばれたりします。

身欠きにしん。

身欠きにしんの名前の由来は?

ところで、身欠きにしんという名前は一体どこからきたのでしょうか?

水産業界では魚をさばいていくことを「みがく(身欠く?)」といったりします。

みがいて食べられる部分を残すのですね。

そのため、私はにしんを半身にするから身欠き(みがき)にしん(身が欠けるから)だと思っています。

ところが、ウィキペディアにはこう書かれています。

「身欠き」とは、戻した干物が筋ごとに取れやすくなることからついた俗称で、「磨きにしん」という表記は誤りである。また、脂の少ないものが上物とされ「上干」という。

ウィキペディア「身欠きニシン」https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BA%AB%E6%AC%A0%E3%81%8D%E3%83%8B%E3%82%B7%E3%83%B3

ということで、どうやら私と見解が違うみたいですね。
ウィキペディアでは、乾燥した干物を水で戻すと、筋繊維にそって身がほぐれやすいので、「身欠きにしん」というそうですね。

身欠きにしんは保存食として作られた

身欠きにしんはもともと保存食として作られまれました。

痛みやすい内臓を取り除き、カチカチに干して保存性を高めています。

現在ではカチカチに干すと戻すのが大変なので、ソフト干しなどもあります。

それについてはのちほど解説します。

身欠きにしんの作り方。ニシンの顔を半分残しておろす。

身欠きにしんの作り方としては、

まずニシンを三枚におろします。

この時にニシンの頭を半分、エラの先くらいまで残します。

歯の部分は硬くて食べられないけど、エラの部分は食べられるのでそうしているのですね。

食べられるところはなるべく食べる。このあたり、ニシンへの愛情を感じます。

そして釣針のような針で引っ掛けて干し上げます。

身欠きにしんの戻しかた

身欠きにしんはカチカチに硬く干してあります。

これを水で戻すには、米のとぎ汁に一晩浸けます。

なぜ米の磨ぎ汁なのか、よくわかりません。

でも日本では昔から乾燥したものを水で戻す時に米の磨ぎ汁を使います。

これは身欠きにしんに限らず、山菜でも行われます。

米ぬかの成分が身欠きにしんに染み込んで美味しくなるのでしょう。

こうしてやわらかくなったにしんはうま味が凝縮されているし、よいだしが出ます。

これを山菜や昆布などと一緒に醤油、砂糖で煮つけるとても美味しいですよ。

なぜ身欠きにしんに加工するの?干すとさらに旨く、食べやすくなる!

もともと保存食だった身欠きにしん。

現在では、干すことで旨味を凝縮させた食材になっています。

また、にしんは小骨が気になる魚です。

でも一旦干すと小骨があまり気にならなくなります。

これも身欠きにしんの利点ですね。

干すことでにしん特有の青臭さもなくなります。

干してうま味と脂が凝縮し、保存も出来る身欠きにしんは昔の人の知恵が詰まった食品ですね!

身欠きにしんの歴史・北前船で運ばれ全国へ!

身欠きにしんの原料であるニシンは、主に北海道で水揚げされます。

水揚げされたニシンを身欠きにしんに加工して、北前船によって本州へ運びました。

そして北前船の寄港地で売りさばき、現金を得ていました。

そのため現在でも日本全国、特に関西でも身欠きにしんの人気があるのですね。

身欠きにしんの栄養は?

DHAやビタミンB12が豊富だそうです。

DHAやビタミンB12というと美容や健康で注目されている栄養素ですね。

美容と健康、若返りに身欠きにしん!

おいしく食べられて、健康づくりに役立つ。

いい仕事してますね、にしんって。

もっと食べられてもよい食材だと思います。

身欠きにしんとは?名前の由来は?ソフト・生干し・本乾などのまとめ

というわけで、身欠きにしんについてみてきました。

まとめると

  • 身欠きにしんとは、ニシンを半身にして乾燥させた干物
  • 身欠きにしんの名前は身を欠いているから?
  • 身がほぐれやすいから身欠きにしんとなった?
  • 身欠きにしんは顔を半分残して干す
  • ニシンは干すと美味しく、食べやすくなる
  • 身欠きにしんは江戸時代、北前船によって日本各地へ運ばれた
  • 身欠きにしんはDHAやビタミンB12が豊富
  • 身欠きにしんは乾燥具合で本乾、8分乾、ソフトなどがある

ということでした。

ご参考になさってくださいね!