スーパーの鮮魚売場などで見かける「刺身わかめ」や「生食用わかめ」。
「刺身わかめって、そのまま食べていいの?」
「刺身ということは、生のわかめ?」
「塩が付いているけど、これも刺身わかめなの?」
ちょっと分かりにくいですよね。
私は水産卸の仕事で、実際に「刺身わかめ」と呼ばれる商品を扱っています。
そこで最初に結論からいうと、
刺身わかめ=採れたままの生のわかめ、という意味ではありません。
私が扱っている商品では、基本的に一度湯通しされたわかめです。
ただし、その後の商品形態には違いがあります。
- 塩蔵されていて、塩抜きしてから食べるタイプ
- すでに食べられる状態まで処理され、さっと水洗いするだけで食べられるタイプ
などがあります。
つまり「刺身わかめ」は、魚の刺身のように「完全な生」というより、
加熱調理せず、サラダや酢の物などで食べられることをアピールした商品名
と考えると分かりやすいです。
ただし商品によって処理方法が違うので、最終的にはパッケージに書かれた食べ方を確認してください。
刺身わかめとは?
「刺身わかめ」という名前だけを見ると、海から採ったわかめを生のまま食べるように思えます。
しかし、少なくとも私が水産卸で扱っている刺身わかめは違います。
一度湯通ししてあるわかめです。
そして、その後の加工方法によって商品が分かれます。
たとえば、
湯通ししたわかめを塩蔵し、「塩抜き後、そのまま食べられます」という意味で刺身わかめとして販売する商品。
一方では、
すでに塩抜きなどの処理までされ、「さっと水洗いしてお召し上がりください」という状態で販売される刺身わかめ。
こちらもあります。
ですから、
「刺身わかめ」という名前だけでは、塩抜きが必要かどうかまでは判断できません。
これがポイントです。
刺身わかめはそのまま食べられる?
これは商品によります。
水洗い程度で食べられるタイプ
すでに湯通しされ、食べられる状態まで処理された刺身わかめです。
商品によっては、
「さっと水洗いしてお召し上がりください」
などと表示されています。
このタイプなら、表示に従って水洗いしたあと、
- サラダ
- 酢の物
- 海鮮サラダ
- 刺身のつま
- ポン酢和え
などで食べられます。
もう一度茹でる必要がない商品もあります。
塩抜きが必要なタイプ
一方、私が仕事で扱っている刺身わかめには、塩蔵された商品もあります。
こちらは表面に塩が付いているので、そのまま食べるものではありません。
水で塩を洗い流し、商品の表示に従って塩抜きしてから食べます。
このタイプも基本的には一度湯通しされています。
そのため、塩抜きしたあとに、
再び茹でなくてもサラダや酢の物などで食べられる
というのが商品の特徴です。
つまり、
「刺身わかめ=袋から出して即食べられる」とは限らない
ということです。
なぜ塩蔵わかめなのに「刺身わかめ」なの?
ここは、水産売場に慣れていない人には特に分かりにくいと思います。
私たちが扱っている商品を見る限り、「刺身」という言葉は、
生のわかめという意味ではなく、塩抜きなど必要な処理をすれば、加熱調理せず食べられる
ということを消費者に伝えるために使われています。
たとえば湯通し塩蔵わかめなら、
「塩を抜けば、あとはサラダなどでそのまま食べられますよ」
というわけです。
その食べ方を分かりやすくアピールするために「刺身わかめ」という名称が使われているのでしょう。
湯通し塩蔵わかめとは?
塩蔵タイプの刺身わかめを理解するうえで知っておきたいのが、
「湯通し塩蔵わかめ」
です。
名前の通り、わかめを湯通ししてから塩蔵したものです。
大まかには、
生のわかめ
↓
湯通し
↓
冷却
↓
塩蔵
↓
脱水
↓
製品
という流れで作られます。
そのため、
塩蔵わかめ=加熱されていない生のわかめ
ではありません。
商品表示に「湯通し塩蔵わかめ」と書かれていれば、すでに湯通しされています。
塩蔵わかめは「水分」と「塩」も商品を見るポイント
ここからは少し、水産卸らしい話をしましょう。
塩蔵わかめは、同じ「1kg」の商品でも、単純に重量だけを見ればいいとは限りません。
塩蔵する工程では塩によって水分を抜き、保存性を高めます。
そのため、
水分がどのくらい残っているか、塩がどのくらい付いているか
によって、商品の状態が変わってきます。
水産卸として商品を見るときには、
「1kgいくらか」
だけではなく、
塩を抜いたあと、実際にどのくらいわかめとして使えるのか
も大切です。
たとえば価格が安く見えても、水分や塩の割合が多ければ、実際に使用できるわかめの量で考えたときに必ずしも安いとは限りません。
逆に、しっかり脱水されていて、塩抜き後の歩留まりがよい商品なら、単価だけでは見えない価値があります。
家庭で少量購入するときには、そこまで考える必要はないでしょう。
しかし業務用の世界では、
「塩を抜いたら実際にどれだけ使えるのか」
まで見ることがあります。
同じ「塩蔵わかめ」でも、価格だけでは比較できない部分があるのです。
刺身わかめと生わかめは違う?
ここも混乱しやすいところです。
旬の時期に出回る、収穫後まだ湯通ししていないわかめも「生わかめ」と呼ばれます。
この状態のわかめは褐色っぽい色をしています。
ところが、お湯に入れると、
パッと鮮やかな緑色になります。
一方、売場では湯通しされた商品に「生わかめ」「お刺身生わかめ」などの商品名が付いていることもあります。
つまり、
「生」という文字だけで、未加熱かどうかを判断するのは難しい
のです。
商品名だけで判断せず、名称・原材料・保存方法・食べ方などを確認してください。
生食用わかめならそのまま食べられる?
「生食用」という表示なら、基本的には加熱調理を前提とした商品ではありません。
ただし、
「生食用=袋を開けて何もせず食べる」ではありません。
ここも注意してください。
塩蔵タイプなら塩抜きが必要ですし、食べられる状態まで加工された商品でも「さっと水洗いしてください」と表示されていることがあります。
ですから、
生食用だから加熱しなくてよい
ことと、
何の下処理もせず食べてよい
ことは別です。
商品の表示に従うのが一番確実です。
緑色なら湯通し済み?
一つの目安になるのが色です。
収穫したわかめは褐色系ですが、湯通しすると鮮やかな緑色になります。
そのため、スーパーで販売されている鮮やかな緑色の刺身わかめや塩蔵わかめは、すでに湯通しされた商品が多いです。
ただし、
色だけで「そのまま食べられる」と判断するのはおすすめしません。
塩抜きなどが必要な場合があるためです。
塩蔵の刺身わかめはどうやって塩抜きする?
塩蔵タイプなら、まず表面の塩を水で洗い流します。
その後、水に浸して塩抜きします。
ここで注意したいのが、
「塩抜きは必ず○分」と決めつけないこと。
商品によって、
- わかめの厚み
- 塩分
- 脱水状態
- 加工方法
などが違います。
まずは商品の表示に書かれた時間を目安にしてください。
塩抜きしすぎると、せっかくの食感や風味が弱くなる場合があります。
塩抜き後にもう一度茹でる必要はある?
湯通し済みで、塩抜き後そのまま食べられる商品なら、
基本的にはもう一度茹でる必要はありません。
むしろ長く加熱すると、わかめの食感が柔らかくなりすぎることがあります。
塩抜きしたら水気を切り、
- わかめサラダ
- 酢の物
- ポン酢和え
- しょうが醤油
- 海鮮サラダ
などで食べると、わかめらしい食感を楽しめます。
もちろん味噌汁やうどんなど、温かい料理に使ってもおいしいです。
刺身わかめを買ったら、まず裏面を見よう
「刺身わかめ」という名称は便利ですが、消費者にとっては少し分かりにくい名称でもあります。
同じ刺身わかめでも、
塩抜きが必要な商品もあれば、水洗い程度ですぐ食べられる商品もあります。
そこで買ったら、まず確認してほしいのがパッケージの使用方法です。
「塩抜きしてください」
なのか、
「水洗いしてお召し上がりください」
なのか。
ここを確認すれば迷いません。
「刺身」という言葉だけで判断しないことが大切です。
まとめ|刺身わかめは「そのまま」の意味に注意
刺身わかめについてまとめます。
- 刺身わかめは採れたままの生わかめとは限らない
- 私が水産卸で扱う商品では湯通し済みのものが中心
- 湯通し塩蔵わかめを「刺身わかめ」として売る場合がある
- 塩蔵タイプは塩抜きしてから食べる
- 塩抜き済みで、水洗い程度ですぐ食べられる商品もある
- 湯通し済みの商品なら、塩抜き後に再度茹でずに食べられるものがある
- 「生食用」と「何もせずそのまま食べられる」は同じ意味ではない
- 塩蔵わかめは水分・塩分・塩抜き後の歩留まりも商品を見るポイント
- 最終的にはパッケージの食べ方を確認する
一番覚えてほしいのは、
「刺身わかめだから袋から出して何もせず食べられる」とは限らない
ということです。
私が実際に扱っている商品でも、塩蔵されていて塩抜きが必要な刺身わかめと、すでに処理されて水洗い程度で食べられる刺身わかめがあります。
逆にいえば、必要な下処理さえすれば、加熱調理せずサラダや酢の物として手軽に食べられる。
それが「刺身わかめ」の魅力だと思います。





コメント Comments
コメント一覧
コメントはありません。
トラックバックURL
https://fish-neta.com/sashimi-wakame/trackback/