ちりめんじゃことは何の魚?由来語源、しらす干しや、かえりちりめん田作りとの違いも解説!

こんにちは!

魚屋をやってますと、しらす干しとちりめんじゃこ、かえりちりめんの違いを教えてほしい、という質問をよく受けます。

今日はそんなしらす干し、ちりめん、かえりちりめんについてみていきたいと思います。

ちりめんじゃことは何の魚?この記事の概要

それではこの記事の概要を解説します。

  1. ちりめんじゃこはイワシの稚魚を茹でて干したもの
  2. 縮れた布に似ているから「ちりめんじゃこ」と呼ばれる
  3. しらす干しとは乾燥度合いが違う
  4. かえりちりめんとは、成長度合いが違う
  5. ちりめんは茹でてから乾燥、田作りは茹でずに乾燥
  6. 関西方面ではしらす干しのことも「ちりめんじゃこ」と呼ぶ

ということです。

さっそく詳しくみていきましょう!

ちりめんじゃことは何の魚?どういう意味?

魚のちりめんとは、イワシの稚魚を茹でて干したものです。

「ちりめん」とは「ちりめんじゃこ」とも呼ばれます。
漢字で書くと「縮緬雑魚」ですね。

ちりめんじゃこの名前の由来は?

それではちりめんじゃこの名前の由来をみていきましょう。

ちりめん

ちりめんは漢字で書くと縮緬です。

ちりめんとはくしゃくしゃに縮れた布のことです。

縮れさせることで表情を付けているのですね。

ウィキペディア「ちりめん」より画像引用。クリエイティブ・コモンズ

この縮れた感じがよく似ているので「縮緬(ちりめん)雑魚(じゃこ)」とよばれるようになりました。

じゃこ

じゃこ、というのは雑魚という意味です。

これは

  1. 色々な魚が雑ざったもの
  2. 小さい魚

という意味です。

ちりめんはとても小さいし、色々な魚が雑ざるためです。

現在は色々な魚が雑ざったものは敬遠されます。

ここから余談です。

有名なところですと水戸黄門です。
お話の中で徳川光圀さんが「越後のちりめん問屋の光右衛門」と偽名を使っていますね。
越後のちりめんというのが「越後縮(えちごちぢみ)」という縮緬です。

ちりめん、しらす、かえりちりめん、田作りの違い

ちりめん、しらす、かえりちりめん、田作りなど、紛らわしいものの違いについてみていきたいと思います。

下の写真は上から

  1. かえりちりめん
  2. ちりめん
  3. しらす干し

となっています。

それではそれぞれ、詳しくみていきましょう!

しらす

しらすの原料はイワシの稚魚です。

透き通っています。「生しらす」と呼ばれますね。

この生しらすを茹でると「釜揚げしらす」となります。

そして茹でたものを軽く干すと「しらす干し」

となります。

ちりめんじゃこ

しらす干しをさらに乾燥させて水分を飛ばしたものを「ちりめんじゃこ」、「ちりめん」と呼んでいます。

写真のように乾燥させることでさらに縮(ちぢ)れます。

これが布のちりめんに似ているのですね。

似てますよね。

かえりちりめん

これは少し成長したイワシの稚魚を茹でて干したものです。

成長して頭が銀色になっています。
漢字で書くと孵り(かえり)ちりめんです。

生まれたてよりももう少し成長した状態ですね。

田作り

田作りはイワシの子供です。
かえりちりめんよりももう少し生長した状態です。

田作りは茹でずにそのまま干したものです。

そこが煮干しとの違いですね。

しらす干しとちりめんじゃこの食べ方の違い

それではしらす干しとちりめんじゃこはそれぞれ、どのように食べられるでしょうか。

しらす干しの食べ方

しらす干しは、そのまま食べることが多いです。

ご飯に乗せて食べたり、大根おろしにかけて「しらすおろし」としても食べられますね。

ちりめんじゃこの食べ方

ちりめんじゃこは、有馬山椒を使って佃煮にしたり、炒め物に混ぜたりします

どちらかといえば加熱されることが多いです。

乾燥が強く、固いからです。

チャーハンにもよく合います。

そのまま食べるよりは料理の材料になることが多いです。

しらす干しが西日本ではちりめんじゃこと呼ばれることもある

東日本では「しらす干し」と呼ばれている乾燥の弱いしらすも、西日本では「ちりめんじゃこ」と呼ばれていたりします。

ここが少しややこしいところです。

しらすの産地としては中京から西日本にかけてが多いです。

そのため冷凍のしらす干しのパッケージには8割方、「ちりめん」などと書かれています。

西日本は昔からの産地なので、保存のきく「ちりめんじゃこ」の状態になるまでよく干していたことの名残りなのでしょう。

ちりめんじゃことは何の魚?しらす干しや、かえりちりめん田作りとの違いも解説!まとめ

というわけで、ちりめんじゃこについてみてきました。

まとめると

  • ちりめんじゃこはイワシの稚魚を茹でて干したもの
  • 縮れた布に似ているから「ちりめんじゃこ」と呼ばれる
  • しらす干しとは乾燥度合いが違う
  • かえりちりめんとは、成長度合いが違う
  • ちりめんは茹でてから乾燥、田作りは茹でずに乾燥

ということでした。

ただし関西方面では半乾燥のしらす干しもカラカラに干したものも、両方「ちりめんじゃこ」と呼んだりします。

ご参考になさってください!!