魚の「なぜ?」を、現場から。

1甲(いちこおり)とは?水産業界で使う単位・読み方・「合わせ」の意味を解説

1甲(いちこおり)とは?水産業界で使う単位・読み方・「合わせ」の意味を解説

水産業界で働いていると、

「1甲で送って」

「2合わせ1甲」

「3合いで1甲」

といった言葉を聞くことがあります。

初めて聞いた人は、

「1甲って何?」

「いちこう?」

と思いますよね。

水産業界では1甲を「いちこおり」「ひとこおり」などと読み、複数の箱などをまとめた荷物の単位として使います。

例えば3箱をPPバンドでひとまとめにした場合、

3合わせ=1甲

となります。

水産業界で長年仕事をしている私が、現場で使われている「甲(こおり)」と「合わせ」について解説します。

1甲とは?読み方は「いちこおり」

水産業界で使われる「甲」は、荷物をまとめた単位です。

1甲=いちこおり、ひとこおり

などと読みます。

私の仕事でも普通に使う言葉ですが、水産業界以外の人にはほとんど通じないと思います。

例えば魚の商品が段ボール箱に入っているとします。

その箱を2箱まとめてPPバンドで縛れば、

2箱をまとめた1つの荷物=1甲

です。

3箱まとめても、そのひとまとまりで1甲です。

つまり、

1甲=○箱

と箱数が決まっているわけではありません。

ここが重要です。

1甲は何箱?箱数は決まっていない

「1甲って何箱なの?」

と聞かれることがあります。

しかし、1甲に入る箱数は固定ではありません。

例えば、

2箱をまとめる → 2合わせ1甲

3箱をまとめる → 3合わせ1甲

という使い方をします。

したがって「10甲」と書いてあっても、それだけでは全部で何箱あるのか分かりません。

2合わせなら、

10甲 × 2箱=20箱

3合わせなら、

10甲 × 3箱=30箱

です。

総箱数を知るには、甲数だけでなく「合わせ数」も確認する必要があります。

「合わせ」「合い数」とは?

水産業界では、1甲に何箱まとめてあるのかを「合わせ」「合い数」などと呼びます。

例えば3箱をPPバンドでひとまとめにしてあれば、

3合わせで1甲

です。

現場では、

「これ何合わせ?」

「3合いで1甲にして」

「20甲、2合わせ」

などといった言い方をします。

慣れてしまえば何とも思わない言葉ですが、新しく水産業界に入った人には分かりにくい業界用語だと思います。

「20×3」と書いてあったらどういう意味?

水産物の見積書や注文書などでは、

20×3

のような表記をすることがあります。

この場合、

20甲 × 3合わせ

という意味で使われることがあります。

3箱で1甲ですから、

20甲 × 3箱=60箱

となります。

ただし、こうした表記方法は会社や取引先によって違う可能性があります。

初めて取引する相手なら、数量を間違えないように確認した方が安全です。

水産業界では昔からの慣習的な表現が残っているため、同じ言葉でも地域や会社によって使い方が少し違うことがあります。

なぜ箱をまとめて1甲にするの?

理由の一つは、荷物を扱いやすくするためです。

現在なら段ボール箱をPPバンドなどでまとめます。

小さな箱をバラバラに運ぶより、2箱や3箱をひとまとめにした方が荷扱いしやすい場合があります。

また、運送会社や荷物のサイズ・重量などの条件によっては、複数箱をまとめることで荷物の個口数を減らせる場合もあります。

ただし、運賃の計算方法や荷受け条件は運送会社によって異なります。

「まとめれば必ず送料が安くなる」というわけではないので、現在の運賃については利用する運送会社に確認してください。

1甲、2甲、3甲はどう読む?

私の周囲では、

  • 1甲 → いちこおり、ひとこおり
  • 2甲 → ふたこおり、にこおり
  • 3甲 → さんこおり
  • 4甲 → よんこおり

などと呼びます。

ただし、こうした呼び方は地域や会社によって違う可能性があります。

「甲」という漢字だけを見て「こう」と読んでしまいそうですが、水産・食品流通の現場では「こおり」という読み方が残っています。

実際に食品業界でも「1甲(いち・こおり/ひと・こおり)」として使われている例があります。

「甲(こおり)」という言葉はどこから来た?

では、なぜ荷物をまとめたものを「こおり」と呼ぶのでしょうか。

これについては、はっきりした語源を確認できていません。

ただし、昔から荷物をひとまとめにした単位として「コリ」という言葉が使われていた例があります。

私が調べたところ、宮本常一の『山に生きる人々』には、富山沿岸で獲れたブリを塩漬けにして籠に入れ、むしろで包んで縄を掛けた荷物を「一コリ」と呼んだという記述があります。

現在、水産業界で使っている「甲(こおり)」と、

魚をまとめて梱包したもの=コリ

という昔の言葉は、意味も音もよく似ています。

そのため、何らかのつながりがある可能性は考えられます。

ただし、これだけで「現在の甲の語源はこれだ」と断定することはできません。

水産業界に昔から残っている言葉の一つとして考えると面白いですね。

水産業界には独特の単位や言葉が多い

水産業界には、一般の人には意味が分かりにくい言葉がたくさんあります。

「甲」「合わせ」もその一つです。

さらに商品のサイズになると、

「26/30」

「8アンダー」

「500アップ」

など、初めて見た人には意味不明な表記がたくさん出てきます。

私自身、水産業界で仕事をしていると当たり前に使っていますが、改めて考えるとかなり独特です。

こうした業界用語を知っておくと、水産会社や市場、食品流通の仕事に入ったときにも役立つと思います。

1甲(いちこおり)とは?まとめ

最後にまとめます。

1甲(いちこおり・ひとこおり)とは、複数の箱などをまとめた荷物を数える、水産・食品流通業界などで使われる単位です。

ポイントは、

  • 1甲は「いちこおり」「ひとこおり」などと読む
  • 1甲=何箱と決まっているわけではない
  • 2箱まとめれば「2合わせ1甲」
  • 3箱まとめれば「3合わせ1甲」
  • 「合わせ」「合い数」は1甲にまとめる箱数
  • 甲数×合わせ数で総箱数を計算できる
  • 地域や会社によって呼び方・表記が異なる場合がある

ということです。

例えば、

「10甲、3合わせ」なら、10×3=30箱。

こう考えると簡単です。

水産業界に入ったばかりの人が「いちこおりって何?」となるのは当然です。

かなり独特な業界用語ですからね。

でも一度意味が分かれば難しくありません。

「甲=ひとまとめにした荷物」「合わせ=その中に何箱あるか」

と覚えておけば大丈夫です。

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