秋になると、秋鮭のAブナ、Bブナ、銀毛と言う言葉を聞きます。
また、AB品、G、Pとも表現したりします。
これ、毎年なんのことがわからなくなるのですね。
なので、備忘録として書いておきます。
秋鮭の銀毛(G)、Aブナ、Bブナ、Cブナ、ホッチャレとは?概要
まず、秋鮭のAB、銀毛(G)、Cブナ、ホッチャレとは、水揚げした鮭の体の状態のことを見た目で選別したものです。
概要を説明しますと、
- 銀毛(ぎんけ)とは、 体表が銀白色で婚姻色がないものです。
- Aブナとは、体表は銀白色であるが、わずかに婚姻色が見られるものです。 薄ブナとも言われます。
- Bブナは婚姻色が若干強いものです。
- Cブナ 婚姻色が強く、体表が黒味を帯びてきたものです。本ブナとも言われます。
- ホッチャレは産卵、放精後のものです。(採卵後の親魚を指す場合もある)
ということです。
Pはピンコのこと
また、Pはピンコのことです。
ピンコとは、小型サイズのことで、浜により違いがありますが、概ねラウンドで2.5kg以下の魚体を指します。
また、時鮭については以下の記事をご参照ください。
銀毛は評価が高いので値段も高い
銀毛は評価が高いので値段も高いです。
なぜ評価が高いのかというと、
- 未成熟なので、美味しい
- 見た目がきれい
ということなんですね。
切り身にしたときの身の色も赤みがかっています。まだあまり卵や生殖器に栄養を取られていないので栄養価も高いです。そのため美味しいです。
塩焼きなど、ごまかしの利かない料理に向いています。
Aブナは銀毛に次ぐ評価
Aブナは銀毛に次ぐ評価です。そのため時には銀毛と一緒に競りにかけられる場合もあります。
「川の水を飲むとブナ毛が出てくる(成熟してくる)」、といわれます。
※Aブナ。わずかにまだら模様になっています。
生物学的に本当にそうなのかはわかりません。
まだギリギリ未成熟なので、切り身の色もよく、栄養もあります。こちらも塩焼きで美味しいです。
Bブナは評価が低くなる
Bブナは銀毛、Aブナに比べて評価が低いです。
※Bブナ。まだら模様がはっきりしています。
身の色もやや赤みが抜けてきます。卵や生殖器に栄養を取られるので、美味しくなくなってきます。
とはいえ、まだまだ塩焼きでも食べられます。時にはAブナと一緒に入札されることもあります。
Cブナは味は落ちるが色々と利用価値あり
Cブナになると身の色も白っぽくなり、栄養が抜けてきます。なので味は落ちてきます。値段も安くなります。
とはいえ、鍋やフライなどで利用できます。Bブナと一緒に入札されることもあります。
入札していますと値段がつかない場合は1尾100円で買い取られることもあります。かわいそうですね。
ホッチャレは「ほうっておけ」
ホッチャレは産卵した後です。なので味は良くないです。だから「ほうっておけ」の北海道弁で「ホッチャレ」といわれます。
熊だって産卵後の鮭は食べません。川に昇ってきた鮭のお腹だけ食べて頭としっぽは棄ててしまいます。
たまに市場に出回ることもありますが、ほとんどただみたいな値段です。
鮭が森を作る、といわれますよね。なのでホッチャレなど水揚げせずに「森の栄養」にしておけばいいと思います。まあカラスなどのエサになってしまうかもですが。
秋鮭の銀毛、Aブナ、Bブナ、Cブナ、ホッチャレとは?まとめ
というわけで、鮭の体の選別についてみてきました。
まとめると
- 銀毛は体が銀白色。身は赤く、美味しい
- Aブナは、わずかに婚姻色がある。身色は赤く、美味しい
- Bブナは婚姻色が若干強い。身は赤身が抜けて、脂も落ちる
- Cブナ婚姻色が強い。身は白っぽく、味は劣る
- ホッチャレは産卵、放精後のもの。美味しくないので、捨て値。
ということでした。
ご参考になさってください。