新巻鮭もセミドレス状態になっています。

銀ザケ、紅ザケなど、鮭(サケ)と呼ぶ魚もいます。

また、サクラマス、カラフトマスなどと、「鱒(マス)」と付く魚は色々いますよね。

これらの違いはなんなのでしょうか。

※狭義で「サケ」というと、シロザケのことを指します。広義で「サケ」はサケ科の魚を指します。

鮭と鱒の違いは「大きさ」だけ!

鱒と鮭は分類上、違いはありません。

鱒と鮭の違いは、大きいか、小さいかだけです。

いや、同じ魚を出世魚的に大きいものをサケと呼んで、小さいものをマスと呼ぶわけではないですよ。

広い意味でのサケ、マスの明確な線引きは大きさだけ、という意味です。

これはクジラとイルカみたいなものですね。

クジラとイルカも生物学的違いはなく、大きいものをクジラ、小さいものをイルカ、と呼びますよね。

鱒と鮭の大きさ

成熟したマスは、2㎏前後というところです。

サケの大きさはだいたい平均4㎏前後です。

ただしマスも養殖すると大きくなります。

特にカラフトマスとサケ(シロザケ)は近縁種です。そのため交雑してハイブリッドが生まれることもあります。

その生まれたハイブリッドは「サケマス」と呼ばれるそうです。そのままですね。

鱒と鮭の生物分類

サクラマスとカラフトマスはサケ目サケ科サケ属の魚です。

サケ(シロサケ)もサケ目サケ科サケ属の魚です。

そしてニジマス、キングサーモンなどはサケ目サケ科タイヘイヨウサケ属です。

ここでも鮭と鱒の違いはないですよね。

むしろキングサーモンとニジマスが同じ分類ということに驚きです。

あけぼのの「鮭缶」はカラフトマスが使われている!

マルハニチロが展開するあけぼのの鮭缶は、カラフトマスが使われています。

この缶詰の注意書をみると「カラフトマスはサケ目サケ科の魚です」と書かれています。

参照マルハニチロ「鮭缶」

なぜ鱒と鮭で名前がわかれているの?

それではなぜ鱒と鮭で名前が違うのでしょうか。

昔は特に生物分類なという基準もありませんでした。

大きいものはサケ、小さいものはマスと呼んだのですね。

昔の日本では主にシロサケとサクラマスくらいしか獲れませんでした。

そのためサケ・マス2種類の呼び名で済んだわけです。

北海道の開拓が進みカラフトマスも水揚げされるようになりました。

また北洋に進出して紅鮭や銀鮭、キングサーモンなどもとれるようになりました。

そうすると 名前もだいぶ複雑になってきます。

サケ科の魚は日本人にとって重要なタンパク源です。

そのため 呼び方がいろいろ別れたと考えられます。

鱒と鮭の味の違いは?

鱒のほうが脂が乗っている感じがします。

日本で販売されているものは特にそうですね。

ただこれは獲れる時期の違いです。

春に採れたマスや鮭は脂が乗っています。

そして産卵期に獲れたマスや鮭は脂が少ないです。

そう考えると鮭と鱒の味の違いはないですね。

鮭と鱒のイクラの違いは?

鮭と鱒は大きさの違いだけという話でした。

そしてこれらはいくらも同じです。

鮭と鱒のイクラは大きさが違います。

鱒のいくらが直径 5 mm 程度に対して鮭のイクラは 7ミリ~ 8ミリ です。

見比べると一目瞭然大きさが違います。

ただしこれも小さい鮭からとったいくらは小さいですし、大きなますから取ったいくらは大きくなる傾向にあります。

なので一概には言えないです。

また私これは私の感想ですが、鮭のイクラの方がコクがあります。

そしてマスのいくらの方がさっぱりしているという印象があります。

川に残るのがマス、海に降るのがサケ?

マスとサケの違いで、良く言われるのは川に残るか残らないか、というものです。マスは川に残る個体がいて、サケはすべて海に降る、というものです。

しかしこれもサケでも川に残るものもいますし、マスでもすべて海に降るものもいます。

シロザケやカラフトマスは川に残らず全て海に降ります。

一方サクラマスや紅鮭などは川(淡水)に残留するものと海に降るものとがあります。

マスでもすべて海に降るものもいるし、鮭でも川に残るものもいます。

なので、川(淡水)に残る、残らないで鮭、鱒は区別出来ないんですね。

サーモンとトラウト の区別

英語ではサーモンは海に全て降るもの、トラウトは淡水に残ることもあるもの、と区別されているといわれています。

しかしこれも違います。

紅鮭は英語でSockeye salmon(ソーカイサーモン)といいますが、淡水に残ることがあり、それはヒメマスと呼ばれてます。

カラフトマスはPink salmon(ピンクサーモン)と呼ばれ、英語ではサーモンの扱いです。

英語圏でも サーモンとトラウトを完全には区別できていないんですよね 。

それだけサケ科は色々な種類があり多様化しているということです。

注釈:サーモンは日本語では鮭と訳されます。またトラウトは鱒と訳されます。

鮭と鱒は生態の違いで区別出来ない

鮭と鱒は生態の違いで区別出来ません。

シロザケとカラフトマスはサケ科の中でも進化したサケと呼ばれています。

すべて海に降り、数万キロメートルも泳いで栄養のある餌を食べる、など共通点があります。

それに対してサクラマスや銀鮭はあまり遠くまで行かず、沿岸近くで成長する、といわれています。

鱒の学術分類

シロザケ、サクラマス、カラフトマスはサケ目サケ科サケ属の魚です。

また、ニジマスやキングサーモンはサケ目サケ科タイヘイヨウサケ属の魚です。

分類的にもサケとマスは同じ仲間なのですね。

似たような例ですと、イルカとクジラが挙げられます。

イルカとクジラも大きいか、小さいか、という違いしかありません。

鱒と鮭の違いは大きさだけ!まとめ

さてここまで色々な例を挙げて鮭と鱒の違いは大きさだけ、ということを見てきました。

まとめると

  • 鱒と鮭の違いは大きさだけ!
  • 生物分類的に違いがない
  • シロザケとカラフトマスは交雑する
  • 鱒も鮭も淡水に残るものと全て海に下るものと二種類ある
  • 昔は生物分類の基準が曖昧だったため 大きさで名前を分けていた
  • 大きさで名前を分けるほどサケ科は馴染みのある魚

ということでした。

こう考えると鮭と鱒の違いは本当に大きさだけですね。

ご参考になさってくださいね!