先日、秋鮭の食べ比べをしました。

集まったのは鮭を販売する営業マンたち。

鮭を販売して数十年のベテランばかりです。

そんなベテランたちに、商品名を隠して、焼いた鮭を試食してもらいました。

秋鮭の食べ比べ。一番美味しい秋鮭は?

出された鮭は以下の通りです。

1.某社の定塩秋さけフィレ
2.某社自慢のだしで漬け込んだ秋さけフィレ。
3.山漬け鮭
4.普通の新巻き鮭
5.新潟県の村上市で作られている塩引き鮭
6.寒風干し鮭

以上の6つでした。

それぞれを名前を伏せて試食し、1番美味しかったもの、2番目に美味しかったものに投票します。

秋鮭の食べ比べ。事前予想は?

秋鮭の食べ比べの、事前の予想では、定塩のフィレ、しかもダシに付けた物が美味しいと思っていました。

なぜなら定塩のフィレは

  • インジェクション(塩水注射)により、味が均一になる
  • やわらかく食べられる
  • ダシが利いていて美味しい

と考えられるからです。

秋鮭の食べ比べ。割と意外な結果に!

そして食べ比べの結果は?というと、意外でした。

1番人気は実は塩引き鮭と山漬け鮭でした。

ほぼ同位ですが、2番人気は寒風干しでした。

某社が力を入れる自慢のだしで漬け込んだ鮭は人気がありません。

また、某社の定塩秋鮭フィレは不人気でした。

某社が売り出しているダシ仕込みの秋鮭が、なぜ不人気なのでしょうか。

新巻き鮭はなぜ旨かったのか?

定塩のフィレの身はやわらかいです。

しかし旨味がないのです。

食べやすいですが、味がない。

 

一方新巻き系(セミドレス)は身は固いです。

ですが、噛むほどに味わいが深いです。

これは製法にもよります。

新巻鮭はワンフローズン、フィレ物は基本2フローズン

新巻鮭などは、一回凍結の、ワンフローズンが基本です。

一方、フィレの秋鮭は一度凍結したものを解凍してから加工します。

二回凍結(ツーフローズン)なのですね。

この辺りが美味しさの秘密の一つ目です。

新巻き鮭は良い原料を選んでいる

新巻鮭になるものは、大抵良い原料を使っています。

これは新巻鮭を買う人は、鮭を食べたくて買う人が多いからです。

一方、フィレになったものを買う人は、そこまで鮭にこだわりがない印象です。

なので新巻き鮭は美味しい原料を選別しているのですね。

旨味を凝縮させている

新巻き鮭系は熟成されています。

単なる新巻き鮭はほとんど熟成されていません。

しかし山漬け鮭は塩に何日も漬け込みます。

こうすると余分な水分が抜けて旨味が凝縮されます。

寒風干しや塩引き鮭も同じで、干すことによって余分な水分を飛ばして、旨味が凝縮されます。

そのため美味しくなるのですね。

鮭自体が熟成する

鮭が菌の働きで熟成することも考えられます。

特に新潟県の村上市の塩引き鮭は、各家庭で味が違う、と言われます。

これはその家庭に住み着いている菌が違うから、と説明されます。

エビデンスはないのですが、地元の方はそう言われています。

漬物でも乳酸発酵すると美味しくなるので、菌によって熟成されるのはうなずけますね。

熟成系の鮭を見直そう!

最近では「やわらかい」「脂がのっている」「骨がない」などの鮭が人気です。

しかしそれは販売する側の努力不足ではないでしょうか。

鮭にはちゃんと味(旨味)があります。

それを脂がのっているのが良い、としか宣伝しませんよね。

脂ややわらかいというわかりやすいワードで販売数量を伸ばそうとしている感じがします。

でも鮭の魅力はそれだけではありません。

旨味、風味、皮の美味しさ、脂肪分、歯ごたえ、など
色々な要素があります。

そこを上手にお客さんに伝える必要があるのではないでしょうか。
そのためには販売する側が鮭の魅力をちゃんとわかっていないといけません。

今回の試食を通して、今まで思ってきた常識が、ひっくり返った気がします。